症例紹介 在宅医療2021/11/17
パーキンソン病(YahrⅢ) 認知症なしの事例 訪問診療に切り替えることで、家族負担を軽減し、在宅で患者さま・ご家族の希望をかなえることができたケース
利用者及び家族の状況
利用者: 88歳 女性 パーキンソン病(YahrⅢ) 認知症なし 要介護4
家族構成:長女との生活 (主介護者は長女)
訪問診療開始までの経過
2017年頃よりパーキンソン症状があったが、2019年から症状が悪化し、2020年3月に要介護認定を区分変更し、要介護3へ変更となる。
さらに、コロナ禍で身体機能の低下が進行。
長女さんの負担が大きく、肘を痛めたこともあり、通院が困難となり訪問診療開始に至った。
屋外では車いす移動であり、長女の助けがないと通院ができない状態であった。
訪問診療開始後の経過
介入から1か月が経過する頃、帯状疱疹発症され、痛みのためADLの低下も認められた。
当初家族は入院を希望されたが、入院予定先医療機関の医師より、帯状疱疹以外の状態を踏まえるとADL低下が続くようなら入院は困難であるとの話があり、急遽ショートステイ利用となった。
その後、自宅へもどられたが、帯状疱疹は改善傾向でADLは以前と著変なし。
パーキンソン病の症状に関しては起立性低血圧や体が動かしにくいなどの訴えはあったが悪化の様子は見受けられなかった。
内服薬の管理において、ご本人の判断で飲む飲まないを選ばれることが多くあり継続服用ができていなかった。
現在は、ご納得いただいた上での一包化処方に切り替え、内服管理及び排便コントロールもできている。
介入当初はデイサービス週1回、訪問リハビリ、訪問看護の利用であったが、現在はデイサービスが週2回、訪問マッサージも利用され、在宅生活を送られている。
結果
主介護者の医療・介護負担を軽減するために訪問診療等を活用できた。
事例から学ぶ大切なポイント
入院予定がなくなった際にショートステイ利用を調整するなど急なケースにも対応していただけたため、本人・家族の望む在宅生活継続につながった
症状の維持、悪化予防には内服管理が重要であるが、アセスメントをしっかり行うことで一包化に切り替えるという選択を取れた。
ちくさ病院 総合内科医
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