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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

⑦レビー小体型認知症はどんな病気?~パーキンソン病との関係~

在宅医療の基礎知識2021/10/11

⑦レビー小体型認知症はどんな病気?~パーキンソン病との関係~

在宅医療のご相談を頂くケースとしてレビー小体型認知症の患者さんの御相談を頂くケースが非常に多くなっています。
今回はレビー小体型認知症がどんな病気なのか。基本的な部分のご紹介を致します。

レビー小体型認知症は三大認知症の一つ

レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症に次いで、2番目に多い認知症です。

血管性認知症とともに「三大認知症」と呼ばれています。
認知症患者の数の内訳は、アルツハイマー型が50%、レビー小体型が20%、血管型が15%、その他が15%となっています。
「認知症」とひとくくちにされがちですが、それぞれの原因は異なり、症状の特徴や進行の仕方にも違いがあります。

レビー小体型認知症は見逃されやすい

一般的な認知症は記憶力や理解力などの認知機能が徐々に低下していきますが、レビー小体型認知症は認知機能が良いときと悪いときが波のように変化します。
しっかりしているときもあるため、病気と思われないときがあります。また、初期では認知機能の低下が目立たない場合もあります。

レビー小体型認知症とパーキンソン病

レビー小体型認知症の主な症状は、もの忘れ、頭がはっきりしているときとそうでないときの差が激しい、ボーッとしているときが多い、 幻視や妄想、睡眠中に大声で叫んだり激しい体の動きがある、転倒や失神を繰り返す他、 手足の筋肉のこわばりやふるえ、表情が乏しくなるなどパーキンソン病に似た症状がみられます。

パーキンソン病とレビー小体型認知症はどちらも、レビー小体という脳の神経細胞に何らかの影響を与える構造物が出現する、 レビー小体病の一連の病態の一つと考えられます。
パーキンソン病の方はそうでない方に比べ4~6倍の頻度で認知症をきたしやすく、 パーキンソン病の方の約3割、発症から10年以上経過した方では約7割に認知症がみられます。

パーキンソン病発症から1年以上経過後に認知症を発症した場合を「認知症を伴うパーキンソン病」、 それ以前に認知症を発症していた場合を「レビー小体型認知症」と呼び、別の病態として扱っています。
認知症を伴うパーキンソン病は、意欲低下や無関心、抑うつ、不安、日中の過度の眠気などを伴う頻度が高いと言われます。

デイサービスなどの介護系サービスを利用するなどして、できるだけ脳の活性度を落とさないよう、生活を活気のあるものにすることが大切です。

まとめ

ちくさ病院でも非常に多くのレビー小体型認知症の患者さんを在宅にてサポートさせて頂いております。
同居のご家族が疲弊してしまうケースなども多く、いわゆる“困難ケース”と呼ばれるケースも少なくありません。
どういったサポートが必要なのか、どのようなサービスの利用が考えられるのか、多職種間での細やかな情報共有と検討をしっかりとしていきたいですね。