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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

パーキンソン病と本態性振戦の違い

コラム2021/10/05

パーキンソン病と本態性振戦の違い

「手の震えが気になる!」そう思い、受診をしたらパーキンソン病と診断を受け、治療を続けていたが、本当は「本態性振戦」だったというケースがしばしばあるようです。

どちらの疾患も震えの症状が出るので間違えやすく、神経内科の専門医の間からもパーキンソン病と間違えられているケースがかなりあるのではと指摘されています。

本態性振戦の基礎知識

本態性振戦は震えのみが症状の病気ですが、震え以外の症状がないのが特徴です。

40歳以上では4%、65歳以上では5~14%が本態性振戦の患者と言われています。

通常、年齢とともに少しずつ悪化していきますが、体中が震えて何もできなくなるようなことは、まずありません。

本態性振戦の震えは軽いうちは問題になりませんが、字が書きづらいとか、手に持ったコップの水がこぼれるなど、日常生活に不自由をきたすようになると治療が必要です。

本態性振戦の原因は、まだよく分かっていませんが、精神的に緊張すると症状が悪くなることなどから、興奮したときに働く交感神経が関係しているともいわれています。

また、家族や親類にも同じように本態性振戦の人がいる場合は家族性振戦ということもあります。

パーキンソン病の基礎知識

パーキンソン病は脳の黒質という場所の変性によって、筋肉の動きがうまく調節できなくなる病気です。

多くは手足がふるえたり(振戦)、筋肉の動きがこわばったり(固縮)、動きが鈍くなったり(無動)、また押されたときや歩行時に倒れやすい(姿勢反応障害)といった症状がみられます。

はじめはこれらの症状が身体の片側に出現するのが特徴といえます。

パーキンソン病は、神経の病気の中では大変多く、全国で16万人以上の患者さんがいます。

非常にゆっくりと症状が進むため、はじめのうちは本人は気づいていない場合がありますが、ひどくなると日常生活に様々な支障をきたすようになります。

パーキンソン病と本態性振戦の違い

表にまとめると下記のようになります。

本態性振戦 パーキンソン病
■発病年齢 中年期以降に多い、若い人にも発症する 中年以降に多い
■好発部位 手、頭、声のふるえ 手、足のふるえ
■家族歴 相関性があるときがある 多くの場合相関性はない
■症状 振戦のみ 振戦のほか固縮、無動など
■震えの特徴 姿勢時、動作時に出現、速いふるえ 安静時に出現、遅いふるえ
■食事動作など 手の震えが出現しうまくできない 動作は遅いが、ふるえは目立たない
■書字 大きく乱れる 字が次第に小さくなる

 

上記の違いがそのまま診断するときのポイントとなります。

震えの左右差がないか、食事の時のふるえはどうか、安静時のふるえはどうか、首のふるえはないか、歩行障害や動作緩慢はないか、家族歴はどうか。こういったことを確認する必要があります。

本態性振戦は症状が軽く生活に支障がなければ、治療の必要はありませんが、生活に支障が出るほど症状が強く出る人は治療が必要となります。

また、事前のセルフチェックも可能なので、ふるえが気になった場合は一度チェックしてみても良いですね。

まとめ

今回は、パーキンソン病と本態性振戦の違いについてお話いたしました。難病といわれるパーキンソン病と原因不明の本態性振戦では治療法も当然変わってきます。

疑問があれば、ときには専門医にセカンドオピニオンをとることも必要です。