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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

症例紹介 在宅医療2021/04/26

【COPDの在宅症例(病院看取り)】

在宅医療症例紹介 Vol.2

■患者情報

70歳 男性

■家族構成

妻と二人暮らし。市内に長女在住。

■現病歴

もともとCOPDがあり平成26年頃より徐々に喀痰量が多くなりADLも低下してきていた。平成27年より通院困難のため当院にて在宅診療開始。他既往歴としては糖尿病、膀胱癌術後、脳梗塞後遺症。

在宅での経過

主介護者は妻。ADLは全介助でほぼベッド上生活。初診時に妻と相談し週1回の訪問看護を開始した。月に2回程度来てくれる長女のサポートもあり、ご夫婦仲良く安楽に在宅生活を送られていた。

平成28年4月発熱あり往診し、酸素化不良みられたためちくさ病院へ救急搬送。誤嚥性肺炎の診断でそのまま入院となった。抗生剤治療で改善するが喀痰量多く頻回の吸引が必要であるため妻へ吸引指導し5月自宅退院となった。その後も7月、9月と誤嚥性肺炎発症し入院された。繰り返す誤嚥性肺炎、頻回の喀痰吸引の必要性に妻の精神状態も不安定となり、施設入所も検討したが、ご本人の自宅で過ごしたいという希望が強くなかなか方針が定まらない状態だった。11月再び誤嚥性肺炎発症しちくさ病院へ入院となった。その際にご本人より「施設は嫌だけどずっと診てくれている先生がいる病院ならしばらくいてもいいよ。」との発言あり。妻とも相談し肺炎改善後地域包括ケア病棟へ転棟(移転前は一般病床と地域包括ケア病床有り)。

転棟後の12月、呼吸状態悪化あり。COPD急性増悪の判断で酸素投与開始した。妻と相談し、「このままこの病院で先生に看取ってほしい」との希望を伺い積極的な延命は行わず補液と酸素投与をしながら経過をみていた。意識状態がはっきりしているときもあり長女や孫などの訪問を受けにこやかに過ごされる時間もみられた。

2週間後、血圧低下みられ病室へ駆けつけた妻が見守るなか静かに息をひきとられた。

■ちくさ病院医師からのメッセージ

在宅での看取りは,家族にとって多大な労力と看取りに伴う不安がのしかかることであり、私たち医療従事者や地域の支援者が協力することでその体力的・精神的負担を軽減することが重要です。本症例の場合、ご本人は「最期まで自宅で過ごしたい」という希望を持っていましたが、妻は体力・気力共に限界を感じていたことで方針決定に難渋しました。 往診担当医が病院でも主治医として担当できたことでご本人・妻もある程度納得され病院看取りを希望された症例です。