MENU

医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

症例紹介 在宅医療2021/04/26

【筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)の在宅症例】 ちくさ病院 総合内科医

在宅医療症例紹介vol.1

■患者情報

67歳 男性

■家族構成

内縁の妻との2人暮らし。(実子がいるが絶縁状態。)

■現病歴

平成24年4月頃より頚部筋力低下みられるようになり同年12月ALSと診断された。

平成25年3月頃より上肢筋力低下著明となり、球麻痺進行みられた。

12月痰がつまり呼吸停止となり救急搬送後、気管切開、人工呼吸器管理となった。入院中に胃瘻造設。平成26年2月に退院し在宅生活に入ると同時に当院介入。

在宅での経過

主介護者は妻。ADLは寝返りや起き上がり軽介助、座位保持可能。日中はほぼベッド上で過ごされている状態であった。

初診時に担当者会議を行い、医師を含め支援者全員での意見交換の場を設け、週3回の訪問看護、週1回の訪問リハビリ開始となった。

当院介入後はたまに呼吸苦を訴えられることはあるも比較的安定して経過され、3ヶ月毎に基幹病院神経内科受診しながら在宅生活を送られている。

妻の介護負担が大きいため、2−3ヶ月に1度、2週間程度のレスパイト入院をちくさ病院にて受け入れている。

平成28年10月、筋力低下はみられるもののADLに大きな変化はみられず車椅子に軽介助で移乗し1時間程度であれば座位で過ごせる状態。

ご本人にとって自宅で妻と過ごすことが生きる楽しみであり、最期まで自宅にいたいと希望されている。

■ちくさ病院 総合内科医師からのメッセージ

筋萎縮側索硬化症は進行性の難病であり在宅で生活される方も少なくありません。筋力低下の部位と程度、介護力の程度により、患者・家族に対する環境整備が異なるため主治医、訪問看護師、介護士による綿密な意見交換の場を定期的に設けながら支援していく必要があります。