在宅医療の事例紹介(個人宅)2025/12/09
筋萎縮性側索硬化症の進行に伴い人工呼吸器管理下で在宅療養を継続しているケース
要点サマリー
ALSにより筋力低下と球麻痺が進行し、気管切開・人工呼吸器管理および胃瘻造設となった患者である。退院後は訪問診療・訪問看護・訪問リハビリの連携により在宅体制を構築し、呼吸管理と日常生活支援を継続している。主介護者である妻の負担が大きいため、定期的なレスパイト入院を併用し、在宅生活の継続を支えている。
基本情報
年齢・性別:67歳 男性
居住エリア:情報なし
家族構成(KP):内縁の妻と二人暮らし(KP:妻、実子とは絶縁状態)
保険・福祉情報
情報なし
診断名
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
導入の背景
頸部筋力低下を契機にALSと診断され、上肢筋力低下と球麻痺が進行。痰の貯留による呼吸停止を発症し、救急搬送後に気管切開・人工呼吸器管理となり、併せて胃瘻造設が行われた。退院後に在宅療養を選択し、訪問診療を開始した。
介入内容と経過
主介護者は妻。ADLは寝返りや起き上がりが軽介助で可能、座位保持は可能で日中はほぼベッド上で過ごしている。初診時に担当者会議を開催し、医師・訪問看護師・ケアマネジャー等で支援方針を共有。週3回の訪問看護、週1回の訪問リハビリを導入した。以後は時に呼吸苦を訴えるものの、比較的安定した状態で在宅生活を継続。3か月ごとの基幹病院神経内科受診を継続しつつ、在宅管理を行っている。
医療対応の詳細
・気管切開管理および人工呼吸器管理
・胃瘻管理による栄養投与
・定期訪問診療による全身状態の評価
・訪問看護による呼吸管理・吸引対応
・訪問リハビリによる可動域維持支援
支援のポイント
・多職種が定期的に情報共有する体制を構築した。
・呼吸管理を中心に在宅での医療処置を安定して継続できる環境を整備した。
・主介護者の負担軽減を目的として、定期レスパイト入院を組み合わせた。
考察
ALSでは進行に伴い医療依存度が高まり、在宅支援の質が療養継続の可否を左右する。本ケースでは、呼吸管理体制の確立と多職種連携による支援構造、さらにレスパイト入院の活用により、主介護者の疲弊を防ぎつつ自宅療養の継続が可能となっている。患者本人にとって「自宅で妻と過ごすこと」が生活の中心であり、医療対応のみならず家族支援を含めた包括的介入の重要性を示す事例である。
付記情報
・診療科:内科、その他
・病態・症状:その他(筋萎縮性側索硬化症)
・世帯構成:夫婦のみ