在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/06/26
生活保護受給中でヤングケアラー課題を抱える世帯に対し、家族支援を含めた在宅医療介入を行った事例
要点サマリー
慢性腰痛症と2型糖尿病を有し、外来通院負担の増大により在宅医療介入が必要となった54歳女性の事例である。同居する高校生の長女が日常的な支援を担っており、ヤングケアラー状態が課題となっていた。在宅医療では慢性疾患管理に加え、家族支援と生活基盤調整を重視した介入を行った。ケアマネジャーにとっては、本人支援のみならず、未成年家族への負担集中を早期に把握し、多機関連携を行う重要性を示す症例である。
基本情報
年齢・性別:54歳・女性
居住地:該当なし
世帯構成:親子
キーパーソン:長女(同居)
保険・福祉情報
医療保険:生活保護受給中
介護保険:未利用
診断名
・慢性腰痛症
・2型糖尿病
導入の背景
慢性腰痛により活動性が低下しており、糖尿病管理も必要な状況であった。徐々に外来受診自体が身体的、心理的負担となり、通院継続が不安定となっていた。
同居家族は高校生の長女のみであり、家事や受診支援など生活全般を実質的に担っている状況であった。生活保護受給中で社会的支援の必要性も高く、保護係からの相談を契機として訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、糖尿病管理と疼痛コントロールを中心に全身状態の確認を継続した。腰痛による活動量低下や生活リズムの乱れについても評価し、生活環境全体を踏まえた支援を行った。
また、高校生である長女に介護、生活負担が集中していたため、本人だけでなく家族支援も重要課題として位置づけた。医療、福祉機関と情報共有を行い、長女が過度な役割を抱え込まないよう支援導線を調整した。
生活保護担当とも連携し、医療継続と生活安定を両立できる体制構築を進めている。
医療対応の詳細
主病
慢性腰痛症、2型糖尿病
対応内容
・糖尿病に対する慢性疾患管理
・慢性腰痛に対する疼痛コントロール
・活動量低下に伴う生活状況確認
・生活保護担当との情報共有
・家族支援および介護負担評価
医療処置
該当なし
支援のポイント
・通院困難を契機として在宅医療を導入する
・本人支援だけでなくヤングケアラー支援を重視する
・高校生である長女への負担集中を早期に把握する
・生活保護制度を含めた多機関連携を行う
・医療、福祉、家族支援を一体化した導線を構築する
・本人希望を尊重した在宅生活継続支援を行う
考察
本症例は、慢性疾患管理に加え、家族構造そのものが支援課題となっていた事例である。特に未成年家族が介護、生活支援を担うヤングケアラー状態では、本人の病状だけではなく、家族全体の負担状況を評価する視点が必要となる。
訪問診療を導入することで、本人の医療継続性を確保すると同時に、家庭内負担を外部支援へ分散する調整が可能となった。ケアマネジャーにとっては、疾患管理だけでなく、教育、福祉、生活支援を含めた包括的支援体制を構築する重要性を示す症例である。
付記情報
・診療科:内科、整形外科
・病態・症状:その他
・世帯構成:親子