在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/06/23
複数診療科への通院負担が増大した独居高齢女性に対し、在宅での包括的慢性疾患管理を目的に訪問診療を導入した事例
要点サマリー
慢性便秘症、COPD、狭心症を有し、複数診療科への通院継続が身体的負担となっていた94歳独居女性に対し、訪問診療を導入した事例である。在宅医療では慢性疾患管理を一元化し、必要時に他科連携を行いながら本人希望を尊重した在宅生活継続を支援した。ケアマネジャーにとっては、超高齢独居世帯における受診負担軽減と急変予防を両立する支援設計が重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:94歳・女性
居住地:該当なし
世帯構成:独居
キーパーソン:長女(別居)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険
介護保険:要介護1
診断名
・慢性便秘症
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・狭心症
導入の背景
慢性便秘症に対する消化器管理、COPDに対する呼吸器管理、狭心症に対する循環器フォローなど、複数診療科への定期通院が必要な状況であった。
しかし、超高齢となり外出自体の負担が大きくなったことで、通院継続が徐々に困難となっていた。独居生活では受診調整や移動負担も大きく、医療管理を在宅中心へ移行する目的で訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、呼吸状態や循環動態、排便状況を定期的に確認しながら、慢性疾患管理を包括的に行った。複数医療機関受診を整理し、在宅で完結できる診療体制を構築したことで、通院負担の軽減につながった。
また、病状変化時には必要に応じて他科専門医との連携を図れる体制を整備し、独居生活継続を支援した。長女とも情報共有を行い、急変時対応や今後の療養方針について継続的に相談を行っている。
医療対応の詳細
主病
COPD、狭心症、慢性便秘症
対応内容
・呼吸状態および循環状態の定期評価
・便秘コントロールを含めた慢性疾患管理
・多科受診内容の整理と在宅医療への集約
・必要時の専門科連携
・独居生活における体調悪化の早期把握
医療処置
該当なし
支援のポイント
・複数診療科通院による身体的負担を軽減する
・独居超高齢者に対する包括的慢性疾患管理を行う
・医療機関間の役割整理により診療導線を簡素化する
・別居長女をキーパーソンとして継続的に情報共有を行う
・急変リスクを見据えた早期介入体制を構築する
・本人希望を尊重した在宅生活継続支援を行う
考察
本症例は、個々の疾患重症度よりも、複数科通院そのものが生活継続の障壁となっていた事例である。超高齢独居患者では、医療アクセスの複雑化が受診中断や生活機能低下につながりやすい。
訪問診療を導入し診療体制を整理することで、慢性疾患管理を継続しながら本人の生活基盤を維持することが可能となった。ケアマネジャーにとっては、疾患単位ではなく生活負担としての通院を評価し、医療、介護、家族支援を統合して調整する視点が重要である。
付記情報
・診療科:内科、呼吸器内科、循環器内科
・病態・症状:COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・世帯構成:独居