在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/06/23
糖尿病と統合失調症を併存する独居女性に対し、内科と精神科の継続支援を目的に訪問診療を導入した事例
要点サマリー
糖尿病と統合失調症を抱える独居女性において、外来通院そのものが身体的、心理的負担となり、内科および精神科双方での継続的介入が必要となったため訪問診療を導入した事例である。在宅医療では慢性疾患管理と精神症状の安定化を並行して行い、本人希望を尊重した独居生活継続を支援した。ケアマネジャーにとっては、精神疾患を背景とした受診中断リスクを踏まえ、生活支援と医療継続性を一体的に設計することが重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:67歳・女性
居住地:該当なし
世帯構成:独居
キーパーソン:弟(別居)
保険・福祉情報
医療保険:国民健康保険、自立支援医療
介護保険:要介護1
診断名
・糖尿病
・統合失調症
導入の背景
糖尿病に対する継続的な内科管理が必要であった一方、統合失調症も併存しており、精神面の不安定さから通院継続が徐々に困難となっていた。
独居生活であり、外来受診に対する心理的負担や生活リズムの乱れも重なり、内科、精神科双方で継続的な在宅介入が必要と判断された。本人には可能な限り自宅で生活を続けたい意向があり、別居の弟とも相談のうえ訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、糖尿病管理を中心とした全身状態の確認に加え、精神状態の変化についても継続的に評価を行った。
精神症状に配慮しながら関係構築を進め、必要時には精神科医療との連携を行える体制を整備した。
また、内服管理や生活状況について介護サービスとも情報共有を行い、受診中断を防ぎながら在宅生活を継続できるよう支援した。結果として、医療アクセスの安定化と生活リズムの維持につながっている。
医療対応の詳細
主病
糖尿病、統合失調症
対応内容
・糖尿病に対する慢性疾患管理
・精神症状の経過観察と精神科連携
・内服継続支援と生活状況確認
・独居生活における体調悪化リスクの早期把握
医療処置
該当なし
支援のポイント
・外来通院負担を契機とした早期の訪問診療導入
・内科と精神科双方を一体化した在宅医療体制
・独居生活を前提とした支援導線構築
・別居の弟をキーパーソンとした情報共有
・精神症状による受診中断リスクを踏まえた継続支援
・本人希望を尊重した在宅生活維持
考察
本症例は、身体疾患と精神疾患を併存する独居患者において、通院継続困難が医療中断リスクへ直結していた事例である。訪問診療を導入することで、身体管理と精神面フォローを同時に継続でき、医療アクセスの安定化につながった。
ケアマネジャーにとっては、精神疾患を単なる診断名として捉えるのではなく、受診継続、内服管理、生活リズム維持に影響する生活課題として評価し、多職種で支援導線を構築する視点が重要である。
付記情報
・診療科:内科、精神科
・病態・症状:その他
・世帯構成:独居