在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/04/15
入退院を繰り返す心不全・COPD患者に対し、再入院予防を目的に在宅療養を支えた事例
要点サマリー
心不全とCOPDを併存し、増悪による入退院を反復していた独居高齢男性に対し、通院継続が困難となった段階で訪問診療を導入した事例である。本人は可能な限り自宅での生活継続を希望しており、慢性疾患管理と再入院予防を中心とした在宅医療体制を構築した。ケアマネジャーにとっては、独居であっても家族支援を適切に組み込みながら、呼吸循環管理と急変時対応を整理することが重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:79歳・男性
居住地:該当なし
世帯構成:独居
キーパーソン:長女(別居)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険1割
介護保険:要介護2
診断名
・心不全
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
導入の背景
心不全およびCOPDの慢性疾患を抱え、呼吸苦や体調悪化により入退院を繰り返していた。退院後も外来通院が必要であったが、身体的負担が大きく、通院継続が困難となった。
独居であり、日常生活の支援が限られるなかで、医療管理が途切れることで再増悪や再入院のリスクが高い状況であった。
本人は住み慣れた自宅での生活を希望しており、別居の長女とも相談のうえ、在宅で慢性疾患管理を継続し、再入院を予防する目的で訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、心不全の体液管理とCOPDの呼吸状態評価を中心に、定期的な診療を行った。症状の変動に応じて訪問頻度を調整し、増悪兆候を早期に捉える体制を整えた。
また、ケアマネジャーと連携し、服薬管理や生活支援サービスの導入を進めた。別居の長女とも情報共有を行い、急変時の連絡体制を整理した。
在宅での経過観察を継続することで、本人の希望に沿った生活継続と再入院予防を図った。
医療対応の詳細
主病
心不全、COPD
対応内容
・体重変動や浮腫の確認を含む心不全管理
・呼吸苦、SpO2低下などCOPD増悪兆候の観察
・慢性疾患の服薬調整と生活指導
・急変時対応方針の共有と再入院予防
医療処置
該当なし
支援のポイント
・入退院反復により通院困難となった段階で訪問診療導入を検討する
・独居生活を前提に医療と介護の支援導線を整備する
・本人希望を尊重し、在宅生活継続を支える方針を共有する
・別居家族である長女を含めた緊急時連絡体制を構築する
・再入院予防を目的とした慢性疾患管理を継続する
考察
本症例は、心不全とCOPDという増悪リスクの高い慢性疾患を併存し、入退院を繰り返すなかで在宅医療導入が必要となった事例である。独居の場合、症状悪化の早期発見が遅れやすく、再入院リスクが高まる。
訪問診療を導入することで、通院負担を軽減しながら慢性疾患管理を在宅で継続し、本人の生活希望を尊重した支援が可能となった。ケアマネジャーにとっては、独居支援と急変時体制の整理が再入院予防の鍵となることを示す症例である。
付記情報
・診療科:内科
・病態・症状:心不全、COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・世帯構成:独居