在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/04/15
独居のアルコール性肝硬変患者に対し、腹水管理を含めた慢性疾患フォローを目的に訪問診療を導入した事例
要点サマリー
アルコール性肝硬変により腹水貯留を繰り返し、腹水穿刺を要する独居男性に対し、外来通院が困難となったため訪問診療を導入した事例である。在宅医療では腹水増悪の早期発見と慢性肝疾患管理を行い、本人希望を尊重した在宅生活継続を支援した。ケアマネジャーにとっては、独居での支援導線確保と、栄養管理、褥瘡予防を含めた生活支援体制構築が重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:71歳・男性
居住地:該当なし
世帯構成:独居
キーパーソン:元妻(別居)
保険・福祉情報
医療保険:国民健康保険2割
介護保険:要介護2
診断名
・アルコール性肝硬変
・腹水貯留
導入の背景
アルコール性肝硬変に伴い腹水貯留を繰り返し、症状増悪時には腹水穿刺を要していた。全身状態の低下により外来通院が困難となり、在宅での慢性疾患管理を目的として訪問診療導入に至った。
独居であり、日常的に支援できる家族が限られていたため、病状変化への対応が遅れるリスクがあった。本人は在宅生活の継続を希望しており、医療と介護の連携による支援導線構築が必要であった。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、腹水貯留による腹部膨満や呼吸苦の有無を定期的に評価し、腹水増悪の早期発見に努めた。必要時には腹水穿刺に対応できる体制を整え、症状悪化時の医療介入が途切れないよう支援した。
また、慢性肝疾患として栄養状態や浮腫の管理も行い、生活機能低下に伴う褥瘡リスクへの対応を進めた。
本人の在宅生活継続希望を尊重しつつ、独居支援として介護サービス導入や緊急時の連絡体制を調整した。結果として、外来依存を減らしながら在宅療養の安定につながった。
医療対応の詳細
主病
アルコール性肝硬変、腹水貯留
対応内容
・腹水貯留の経過観察と増悪評価
・必要時の腹水穿刺対応
・慢性肝疾患管理としての栄養状態および浮腫の評価
・褥瘡予防と生活機能低下への介入
医療処置
腹水穿刺(適宜)
支援のポイント
・独居で支援資源が限られるなか、在宅療養の支援導線を早期に構築する
・腹水貯留の増悪に対する早期対応体制を整える
・本人希望を尊重した在宅生活継続支援を行う
・元妻をキーパーソンとし、情報共有と緊急連絡体制を明確にする
・要介護2の状態を踏まえ、介護サービス活用と褥瘡予防支援を進める
考察
肝硬変に伴う腹水貯留は症状変動が大きく、通院困難となった段階で訪問診療による継続管理が有効となる。本症例では腹水穿刺を含めた医療対応を在宅で整備し、独居でも療養継続が可能となった。
ケアマネジャーにとっては、独居支援導線の確保に加え、栄養管理や皮膚トラブル予防を含めた生活支援体制を構築することが重要である。
付記情報
・診療科:内科、消化器内科
・病態・症状:肝硬変、腹水貯留、腹部膨満、全身機能低下
・世帯構成:独居