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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

原因別の頭痛タイプを見極めることが大切

コラム2022/02/16

原因別の頭痛タイプを見極めることが大切

日本人のうち約4,000万人が慢性頭痛を有していると言われています。

「頭痛くらい」と軽く考えられがちですが、ひどくなると生活に支障をきたす場合や、背後に命にかかわる病気が隠れていることもあります。

その原因は様々で、それよって予防法や対処法が大きく異なります。

そこで、身近な「片頭痛(へんずつう)」と「緊張型頭痛」の頭痛の原因別予防法・対処法についてご紹介します。

頭痛の種類とその原因

片頭痛

脳の血管が急激に拡張して起きるのが「片頭痛」です。

脳の血管が拡張することで、周囲の三叉神経を刺激し、発生する炎症物質がさらに血管を拡張して「片頭痛」を発症します。

寝過ぎ、寝不足、女性ホルモンの変動、空腹、疲労、光や音の強い刺激なども、「片頭痛」の誘因とされています。

緊張型頭痛

「緊張型頭痛」は、頭の横の筋肉や、肩や首の筋肉が緊張することで起きます。

筋肉の緊張で血流が悪くなった結果、筋肉内に老廃物がたまり、その周囲の神経が刺激されて起きる痛みです。

「緊張型頭痛」を引き起こす原因は、精神的・身体的ストレスであることが多く、PC操作などで長時間同じ姿勢をとり続けている人に起こりやすい病気です。

どんな症状があらわれる?

片頭痛

「片頭痛」が起こる直前には肩こりが出ることもあり、こめかみから目のあたりがズキンズキンと心臓の拍動に合わせるように痛みます。

片側だけが痛いとは限らず両側が痛むこともあり、日常生活に支障が出ることもある発作性の頭痛です。

「片頭痛」の特徴は体を動かして頭の位置を変えると痛みが増幅することです。

また吐き気、嘔吐、下痢などの随伴症状があり、光、音、におい、気圧や温度の変化に対し敏感になることも特徴です。

頻度や時間には個人差がありますが、多い人では1週間に1回と周期的に頭痛を繰り返します。

緊張型頭痛

「緊張型頭痛」は無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などによって、目の疲れや倦怠感などとともに痛みが現れやすいのが特徴です。

後頭部から首筋を中心に頭全体がギューッとしめつけられるように痛みます。

吐き気や嘔吐などといった頭痛以外の症状は現れず、日常生活への支障も片頭痛ほどではありませんが、数時間で治まる場合や、頭痛が数ヶ月以上も続くなど、慢性化するケースもあるようです。

予防法と対処法

片頭痛の予防法

1)頭痛日と環境をチェック

どのような環境が重なったときに片頭痛が起きるかを記録しておくことで、原因となる環境を特定し、該当する時期にそうした環境を避けるようにします。

2)規則正しく睡眠をとる

寝不足、寝過ぎ、疲労、空腹など体のストレスは片頭痛の引き金になるので避けましょう。

3)頭痛の誘発食品を控える

チョコレート、チーズ、ハム※、ヨーグルト、赤ワインなど片頭痛を誘発するといわれる食品の摂り過ぎには注意しましょう。

片頭痛の対処法

1)冷やすのは○、温めるのは×

2)静かな暗い場所で休む。

3)カフェインは適量を摂取

緊張型頭痛の予防法

1)長時間同じ姿勢をとらない

姿勢を正して、同じ姿勢で長時間の作業をしないようにしましょう。

2)肩、首の血行アップ

気づいたときには以下のような簡単なストレッチをこまめに行い、首や肩の筋肉の緊張をほぐしましょう。

  • 両肩を上げてストンと落とす

両肩を上げて、ストンと落とします。

力を入れすぎず、自然な状態で10~20回程度行います。

首を左右に倒す

  • 首を左右に倒す

左手を頭にのせて、右肩の力を抜いて左側へゆっくりと首を倒します。

反対側も同様に。左右とも5~10回程度ずつ行います。

  • イスに座って前屈

イスに浅く腰をかけ、脚を前に伸ばします。

両肩の力を抜いてリラックスしながら、首を前にゆっくりと倒します。5~10回程度行って下さい。

3)枕の高さを調整

高すぎる枕、柔らかい枕は首の負担になります。

高すぎず、柔らかすぎない自分に合った枕を選ぶことで予防ができます。

緊張型頭痛の対処法

1)温めて、こりをほぐす

2)気分転換をする

頭痛が始まったら、ストレスを加えていることを中止し、例えばその場所から離れるなどして、早めに気分転換をしましょう。