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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

口の機能、ちゃんと使えていますか?オーラルフレイルについて

コラム2022/02/18

口の機能、ちゃんと使えていますか?オーラルフレイルについて

滑舌が悪くなる、食べこぼしや飲み物でむせる、といった口回りのトラブルはありませんか?

実はこれ、オーラルフレイルのサインの一つなんです。

今回は、このオーラルフレイルの予防法について、お話させていただきます。

オーラルフレイルって?

オーラルフレイルは、「歯や口の働きの衰え」で、老化のはじまりを示すサインとも言われており、健康と機能障害との中間にあり、可逆的であることが大きな特徴となるフレイルの一つです。

オーラルフレイルの症状は、健康な体から要介護の状態になる前の「フレイル期」に現れます。

介護を必要としない毎日を長く過ごすためにも、オーラルフレイルの症状にできるだけ早く気づき、予防や改善をしましょう。

このオーラルフレイルの始まりは、滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増える、口の乾燥等ほんの些細な症状であり、見逃しやすく、気が付きにくい特徴があるため注意が必要です。

口腔機能(能歯と口の働き)について知ろう!

1.食べる(噛む・磨り潰す・飲み込む・味わう)

2.話す(発音する・会話する・歌う)

3.感情表現(笑う・怒る)

4.呼吸する など

加齢とともにこれらの口腔機能が衰えると、栄養状態から筋力の低下を招くこともあり、外出が減るなどの結果、介護が必要になる場合もあります。

健康的な毎日を過ごすためにも、オーラルフレイルを予防することが大切です。

オーラルフレイルのセルフチェック

下記の症状がないか、現在の状態をセルフチェックしてみましょう。

□固いものが噛めない

□食べこぼすことが多くなる

□よくむせる

□活舌が悪い

□口の中が乾燥する

オーラルフレイルの予防方法は?

オーラルフレイルを予防するためのお口の体操もあります。意識して大きく口を動かすことが予防につながります。手軽にできる予防法を紹介いたします。

✓随意的嚥下法

飲み込みは普通、特に意識することなく反射反応として行っています。しかし筋力や知覚機能が衰えてくると、飲み込みのタイミングがずれてむせる頻度が多くなってしまいます。

「随意的嚥下法」は、あえて意識して飲み込む方法です。

食べ物を15~30回ほどよく噛んで飲み込みやすくし、意識を集中して飲み込むことでむせるのを防ぎます。

✓唾液腺マッサージ

老化により唾液の分泌量が減ってくると、食べ物が喉を通りにくくむせやすくなります。

食事前に唾液腺をやさしくマッサージすることで、唾液の分泌を促します。

また、マッサージによって筋肉の緊張もほぐれて口が開きやすくなるため、食事をしやすくなります。

✓パタカラ体操

「パタカラ体操」は「パ」「タ」「カ」「ラ」の4文字を大きくはっきり発声することで、口の周りの筋肉や舌の動きの衰えを予防します。

前ページのイラストを参考に「パパパパパ」「タタタタタ」「カカカカカ」「ラララララ」をそれぞれ3回繰り返して発声します。

大きな声で滑舌良くはっきりと、慣れてきたらできるだけ速く発声します。

✓藤島式嚥下体操

食前に首周りの筋肉などを動かすことで、頸部の緊張をとって飲み込みやすくする準備体操があります。

まとめ

長い人生、美味しいものや好きなものを食べ続けられることは、生きがいの一つでもあります。

かかりつけの歯科医院で、定期的に口の中をチェックしてもらいつつ、ご自身でも意識的に口を動かす予防法を実践して、オーラルフレイルの予防をしていきましょう。