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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

熱中症? もしかしたら、脳梗塞かも?

コラム2020/06/19

熱中症? もしかしたら、脳梗塞かも?

熱中症? もしかしたら、脳梗塞かも?

熱中症と初期症状が似ている夏血栓めまいや吐き気、ふらつき、倦怠感などの症状が出ると、熱中症を疑う方が多いのではないでしょうか?
しかし、熱中症は、脱水による体内の水分不足から血液がドロドロになることで発症する「夏血栓」と初期症状が似ていることをご存じでしょうか? 夏血栓はめまいやふらつき、動悸や息切れなど、熱中症に 初期症状は似ていますが進行すると、心筋梗塞や脳梗塞につながる可能性があります。熱中症と誤解して治療が遅れると、重大な後遺症をもたらしてしまうこともあります。今回は、「熱中症と脳梗塞の見分け方」というテーマでお届けします。

夏に注意が必要な脳梗塞

過去の報告では、脳梗塞の発症率について、寒い時期が多いとする報告や反対に夏に多いとの報告も見られ、一定の見解は得られていませんが、脳動脈の動脈硬化が原因となるタイプの脳梗塞は、脱水などを契機とするので、暑い季節には注意が必要です。夏は汗を多くかくため、見合った水分を補給していないと、血液がドロドロの状態になり脳梗塞を発症しやすくなります。
(参考)国立循環器病研究センター「NCVC Stroke Registryにおける季節差の解析」
http://www.ncvc.go.jp/pr/release/20180425_press.html

熱中症との見分け方

熱中症では体温が上昇して体温調節が利かなくなり、高熱や脈が速くなるといった症状が見られますが、夏血栓や脳梗塞には見られません。脳梗塞の前触れとして考えられている一過性脳虚血発作※1の症状が出た場合は迅速な対応が必要です。
一過性脳虚血発作の症状は、片方の手足・顔や半身の痺れやまひ、ろれつが回らない・言葉が出ないなどの言語障害、片方の目が見えにくくなったり、片側にあるものが見えなくなる視野障害などがあります。

※1 一過性脳虚血発作
 一過性脳虚血発作とは、TIA(transient[一過性の]ischemic[血流が乏しくなる]attack[発 作]の英語の略称)とも呼ばれています。脳の一部の血液の流れが一時的に悪くなることで、半身の 運動まひなどの症状が現れ、24時間以内(多くは数分から数十分)に完全に消えてしまうことが多いが、脳梗塞を起こす危険性を予測する指標とされている。
(参考)国立循環器病研究センター「脳梗塞の“前触れ”一過性脳虚血発作とは?」
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/brain/pamph96.html#m1

こんな症状がでたら、脳梗塞の可能性があります

片側の手足や顔のまひ
・半身のしびれや感じ方が鈍くなる
・ろれつが回らない、言葉がでない
・視野の半分が見えなくなる、片側にあるものがなくなる

まとめ

これからさらに気温が上昇し、猛暑日が続くようになります。体調が悪くなったら、熱中症とともに夏血栓を疑い、判断に困ったら、まずは早めに医療機関を受診しましょう。また、熱中症、夏血栓とともに、予防に効果的なのは水分補給です。これからの時期は、特にこまめな水分補給をこころがけましょう。