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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

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“薬が多すぎる”問題を家庭で解決するためにー在宅で進める処方見直しと服薬支援ー

コラム2026/05/11

“薬が多すぎる”問題を家庭で解決するためにー在宅で進める処方見直しと服薬支援ー

高齢者の多くは、複数の医療機関に通院しており、治療が重なるなかで薬の種類が増えていくことがあります。
気づけば10種類以上を内服していることも珍しくなく、
「どの薬が本当に必要なのか分からない」
という声が聞かれることも少なくありません。

薬が多いことは、単に管理が大変になるだけではありません。
飲み忘れや飲み間違いが起こりやすくなり、副作用やふらつき、転倒のリスクにつながることがあります。
その結果、かえって生活の質を下げてしまうケースもあります。

薬が多いこと自体がリスクになることがある

高齢者では、複数の疾患を抱えていることが多く、それぞれの疾患に対して処方が追加されることで、薬剤数が増えやすくなります。
一方で、薬が増えるほど管理は複雑になり、本人や家族の負担も大きくなります。

また、加齢に伴う身体機能の変化により、若い頃と同じようには薬を処理できず、副作用が出やすくなることもあります。
そのため、処方内容を定期的に見直し、今の状態や生活に合っているかを確認することが重要です。

訪問診療では処方全体を見直しやすい

訪問診療では、医師が自宅での生活状況や服薬実態を踏まえながら、処方全体を見直すことができます。
外来では把握しにくい、

・実際に飲めているか
・飲み忘れがないか
・副作用が生活に影響していないか
・家族がどこまで管理できているか

といった点まで確認しやすいことが特徴です。

そのうえで、必要性の低い薬や重複している薬があれば整理し、減薬を検討していきます。

薬剤師の訪問支援も重要な役割を担う

在宅では、薬剤師による訪問支援も大きな役割を果たします。
居宅療養管理指導を活用することで、薬剤師が自宅を訪問し、服薬状況の確認や支援を行うことが可能です。

具体的には、

・一包化
・服薬カレンダーの活用
・残薬確認
・服薬方法の調整
・家族への説明や助言

など、実際の生活に合わせた支援が行われます。

医師と薬剤師が連携することで、在宅でも無理のない服薬管理につなげやすくなります。

制度のポイント

・居宅療養管理指導により、薬剤師の訪問支援が可能
・医師と薬剤師の連携により、在宅で処方調整を進めることができる
・多病併存の高齢者にとって、有効な支援となりやすい

導入事例

処方見直しと服薬支援により在宅生活の負担が軽減したケース

83歳男性。
心不全、糖尿病、高血圧などで12種類の薬を内服していましたが、飲み忘れや副作用が頻回にみられていました。

訪問診療導入後、医師が全体の処方を見直し、7種類まで減薬。
あわせて、薬剤師が一包化と服薬カレンダーを導入し、服薬支援を行いました。

その結果、飲み忘れが減少し、ふらつきも軽減。
ご家族からは、
「薬が減って本人の表情も明るくなった。家族にとっても安心につながった」
との声が聞かれました。

薬を減らすことも大切な医療である

高齢者医療においては、薬を追加することだけでなく、必要性を見直して減らすことも重要です。
薬の数が減ることで、本人の負担が軽くなり、家族の管理負担も軽減されることがあります。

「薬を減らすこと」そのものが、大切な医療になる。
その視点を持つことが、在宅で安心して生活を続けるための一歩につながります。