在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/04/15
徘徊を伴うレビー小体型認知症患者に対し、独居生活を支える支援導線を構築した事例
要点サマリー
レビー小体型認知症により徘徊がみられ、外来通院の継続が困難となった独居高齢女性に対し、訪問診療を導入した事例である。キーパーソンが家族ではなく生活保護係であり、支援調整を制度的支援を軸に進める必要があった。ケアマネジャーにとっては、独居で徘徊リスクを抱える認知症患者に対し、医療と介護の連携導線を明確にし、精神科的支援も含めた体制構築が重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:80歳・女性
居住地:該当なし
世帯構成:独居
キーパーソン:生活保護係
保険・福祉情報
医療保険:生活保護(医療扶助)
介護保険:要介護2
診断名
・レビー小体型認知症
導入の背景
レビー小体型認知症により認知機能低下に加え、徘徊が目立つようになり、外来受診の継続が困難となった。独居であり、家族による通院介助が期待できない状況であったため、医療管理が途切れるリスクが高まっていた。
生活保護受給中であり、支援調整の窓口は生活保護係が担っていた。独居生活を継続するためには、医療と介護の支援導線を再整理し、在宅で診療を完結できる体制が求められた。
このため、訪問診療導入により在宅での全身管理と精神科連携を視野に入れた支援を行う方針となった。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、認知症症状の推移と徘徊リスクを評価しながら、在宅での経過観察を継続した。ケアマネジャーと情報共有を行い、生活上の安全確保と介護サービス導入の調整を進めた。
また、幻視や精神症状の出現も想定される疾患特性を踏まえ、必要時には精神科的支援を導入できるよう医療側の連携体制を整理した。
制度的支援を基盤にしつつ、独居生活を継続するための医療介入を段階的に構築した。
医療対応の詳細
主病
レビー小体型認知症
対応内容
・認知機能低下と徘徊に対する経過観察
・精神症状出現を踏まえた薬物調整の検討
・精神科連携を視野に入れた支援体制整備
・介護サービスとの情報共有による生活安全支援
医療処置
該当なし
支援のポイント
・独居かつ徘徊を伴う認知症患者に対し、早期に訪問診療導入を検討する
・キーパーソンが家族ではなく生活保護係である点を踏まえ、支援調整の窓口を明確にする
・医療と介護の支援導線を整理し、対応の空白を作らない体制を構築する
・レビー小体型認知症に伴う精神症状を想定し、精神科連携を事前に準備する
・制度的支援を活用し、独居生活継続を支える視点を持つ
考察
本症例は、レビー小体型認知症に伴う徘徊により外来通院が困難となり、独居生活の継続が課題となった事例である。家族支援が乏しい場合、医療導入の成否は制度的支援と多職種連携の導線設計に大きく依存する。
訪問診療を導入することで、通院負担を解消しつつ在宅での医療管理を確保し、精神科連携を含めた支援体制を整えることが可能となった。ケアマネジャーにとっては、独居認知症患者における安全確保と支援軸の明確化が重要であることを示す症例である。
付記情報
・診療科:精神科、内科
・病態・症状:レビー小体型認知症、徘徊、認知機能低下
・世帯構成:独居