在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/04/15
脳梗塞後遺症による片麻痺で通院困難となった独居男性に対し、友人支援を起点に在宅生活継続を支えた訪問診療導入事例
要点サマリー
高血圧と脳梗塞後遺症による片麻痺を抱え、通院継続が困難となった独居男性に対し、訪問診療を導入した事例である。家族支援が乏しいなかで、別居する友人が実質的なキーパーソンとして関わり、在宅療養体制を支えた。ケアマネジャーにとっては、本人希望を尊重しつつ、家族以外の支援者を起点とした導線設計が重要であることを示す症例である。
基本情報
年齢・性別:71歳・男性
居住地:該当なし
世帯構成:独居
キーパーソン:友人(別居)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険2割
介護保険:要介護2
診断名
・高血圧
・脳梗塞後遺症(片麻痺)
導入の背景
脳梗塞後遺症として片麻痺が残存し、移動能力が低下していた。高血圧の管理も必要であったが、外来通院は身体的負担が大きく、受診間隔が空きやすい状況であった。身体障害者手帳も所持しており、生活機能の低下が継続していた。
本人は可能な限り自宅での生活を継続したいという希望を持っていたが、独居であり支援体制は脆弱であった。家族の関与が乏しいなか、別居する友人が生活面の相談相手となり、医療導入の調整役を担っていた。こうした背景から、在宅で慢性疾患管理と生活支援を継続する目的で訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、血圧管理と脳梗塞後遺症による生活上の課題評価を中心に関わりを継続した。片麻痺による移動制限や転倒リスクを踏まえ、在宅での生活機能維持を意識した支援を行った。
また、介護サービス導入も含めた支援調整を進め、医療と生活支援が分断されないよう体制を整えた。友人を窓口として本人の意向確認や生活状況の共有を行い、医療側との連絡導線を確保することで、独居でも在宅療養を継続できる体制を構築した。
医療対応の詳細
主病
高血圧、脳梗塞後遺症(片麻痺)
対応内容
・血圧測定と薬剤管理
・片麻痺による生活機能評価
・転倒予防を意識した在宅支援調整
・急変時対応方針の整理
医療処置
該当なし
支援のポイント
・片麻痺により通院困難となった段階で訪問診療導入を検討する
・本人の在宅生活継続希望を支援の中心に設定する
・家族ではなく友人をキーパーソンとして連絡導線を確立する
・医療管理と生活支援を一体として組み立てる
・転倒リスクや生活機能低下を踏まえ、介護サービス導入を早期に調整する
考察
本症例は、脳梗塞後遺症による身体障害が通院困難を招き、独居生活における医療継続が課題となった事例である。通院が難しくなると、高血圧管理や全身状態の把握が不安定となり、生活機能低下がさらに進行するおそれがある。
ケアマネジャーにとって重要なのは、本人の希望を尊重しつつ、家族以外の支援者や地域資源を起点に支援導線を設計することである。訪問診療導入により、慢性疾患管理と生活支援が両立し、独居であっても在宅生活を継続できる可能性が示された。
付記情報
・診療科:内科
・病態・症状:脳卒中(脳梗塞)、片麻痺、高血圧
・世帯構成:独居