在宅医療の事例紹介(個人宅)2026/03/31
心房細動と認知症により徘徊が出現した独居高齢男性に対し、服薬管理支援を軸に訪問診療を導入した事例
要点サマリー
心房細動に対してペースメーカー管理を要する一方、認知症の進行により徘徊が出現し、外来通院が困難となった独居男性に対し、訪問診療を導入した事例である。在宅医療では慢性疾患管理と服薬忘れ防止を中心に支援を行い、独居生活を継続するための支援導線を構築した。ケアマネジャーにとっては、遠方の家族をキーパーソンとしながら、地域資源を活用した見守り体制を整えることが重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:76歳・男性
居住地:記載なし
世帯構成:独居
キーパーソン:長女(別居・遠方)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険1割負担
介護保険:要介護2
診断名
・心房細動(ペースメーカーあり)
・認知症
導入の背景
心房細動により継続的な循環器管理を要していたが、認知症の進行に伴い徘徊が目立つようになり、外来通院の継続が困難となった。独居生活であり、服薬忘れや受診中断による病状悪化が懸念された。
長女は遠方に居住しており、日常的な支援が難しい状況であった。そのため、地域での支援体制を整えつつ、在宅で慢性疾患管理と生活支援を継続する目的で訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、心房細動およびペースメーカー管理を含めた慢性疾患フォローを継続した。全身状態を確認しながら、循環器疾患の管理が途切れないよう在宅での診療体制を整えた。
認知症による徘徊リスクを踏まえ、服薬管理の仕組みづくりを優先し、飲み忘れ防止のための支援を介護サービスと連携して整備した。
長女とは定期的に情報共有を行い、本人の生活状況や安全面の課題を共有しながら、独居での在宅生活継続を支えている。
医療対応の詳細
主病
心房細動、認知症
対応内容
・心房細動の慢性管理および全身状態観察
・ペースメーカー管理に関する継続的フォロー
・認知症進行に伴う生活機能低下への対応
・服薬忘れ防止を目的とした内服管理支援
医療処置
該当なし
支援のポイント
・徘徊により外来継続が困難となった段階で訪問診療導入を検討する
・独居支援では服薬管理を中心課題として支援導線を設計する
・遠方家族をキーパーソンとし、定期的な情報共有の方法を明確にする
・介護保険サービスを活用し、見守り体制を補強する
・医療と生活支援を分けずに整理し、在宅療養体制を構築する
考察
本症例は、循環器疾患の管理に加え、認知症による徘徊と服薬不安定さが在宅生活の大きな障壁となっていた事例である。訪問診療を導入することで、通院負担を軽減しながら慢性疾患管理を継続することが可能となった。
ケアマネジャーにとっては、独居支援において医療的管理のみならず、服薬支援や見守り導線を地域資源で補完する視点が重要である。遠方家族との連携方法を早期に整理し、本人の安全確保と生活継続の両立を図ることが求められる。
付記情報
・診療科:内科、循環器内科
・病態・症状:認知症、不整脈(心房細動)
・世帯構成:独居