コラム2020/02/14
在宅医療の基礎知識~点滴の管理ついて~
在宅医療の基礎知識~点滴の管理ついて~
在宅医療の基礎知識、今回は「点滴の管理」について解説致します。
点滴とは目に見える手足の血管(抹消静脈)に直接水分や薬剤・栄養素を投与する方法です。血管に針を刺し、チューブをつないで、輸液製剤を滴下します。主な目的は水分補給。最近は医療機器も改善が進み、在宅でも安全に点滴治療ができるようになっています。
在宅での点滴治療の注意点
・点滴がきちんと落ちているか(止まったり、遅くなったりしていないか)
・点滴が空になっていないか。
・針が入っているところに痛みや腫れがないか
・針や接続部分の抜けや外れがないか
点滴とストレス
点滴は患者さんにとって大きなストレスになることがあります。普段は日常生活にお世話がない方でも、体調が悪かったり、点滴の管が付いたりすることで、動作が制限されます。
ストレスを感じたときには、患者さんが動いて、点滴が曲がったり引っ張られたりしがちですし、中には自分で抜いてしまう方もいます。
点滴のトラブルが起きてしまったら
できることは限られています。点滴がとまった場合は、まず点滴の管が折れ曲がっていないか、点滴している腕を曲げていないかみていただき、それを直すだけで解決することもよくあります。ただし、針が抜けて出血している場合は、まず止血しなくてはいけません。そのまま出血している場所を絆創膏の上から(アルコール綿があれば、それを当てながら)おさえてください。点滴の入っている腕を不用意に動かさないように注意すれば、これらの問題は起こりにくくなります。
点滴の管理についてQ&A
血流がチューブを逆流してしまった。大丈夫ですか?
点滴が終わると、多少、血液が逆流することがありますが、心配ありません。そのまま針を抜いて終了とします。
点滴中に血流が逆流した場合、輸液製剤を心臓より下の市に下ろしたか、腕が圧迫されて静脈の中の圧力が高くなったかのいずれかです。輸液製剤を元の位置に戻して点滴の滴下を観察します。普通におちていれば問題ないですが、逆流した状態でしばらく放置するとチューブの中で血液が固まってしまいます。この場合、点滴を入れ直す必要があります。
点滴の針はどれくらい長く体内にいれていられるのでしょうか?
通常、1週間を上限としています。血管の穿刺部に赤みや腫れがあれば、その前でも抜く必要があります。
点滴を付けたり外したりできるのでしょうか?
点滴の針やチューブの中で血液が固まらないようにしておけば、針を留置したまま、点滴を外すこともできます。主治医とご相談ください。
点滴が終わると身体に空気が入ってしまうでしょうか?
点滴が終われば、自然と滴下も止まり、場合によっては少し血液が逆流しますが、ごく微量なので心配ありません。終わる瞬間をじっと見届ける必要はありません。