2024/11/25
年末年始に向けて知っておきたい!お酒との賢い付き合い方と急性アルコール中毒への対処法
年末年始には仕事仲間との親睦会や久しぶりの友人や親族との再会を計画している方も多いのではないでしょうか。日頃の仕事の話や昔の懐かしい話に花を咲かせながらお酒を飲む時間は格別です。ただし、飲みすぎには十分注意が必要です。
お酒の「適量」を意識する大切さ
適量のお酒は、ストレスを和らげる効果があると言われ、「百薬の長」として古くから親しまれてきました。疲労回復や人間関係の円滑化などのプラス効果も期待できます。しかし、これらの効果は適切な量を守った場合にのみ得られるものです。
飲みすぎが引き起こす問題
肥満への影響
アルコールは1gあたり7kcalのエネルギーを含み、脂肪(9kcal)に次ぐ高カロリーな成分です。さらに、アルコールには食欲を増進させる作用もあり、飲みすぎが食べすぎを引き起こす可能性があります。これが肥満につながるため、摂取量には注意が必要です。
一日の適量とは?
厚生労働省の指針では、1日に摂取する純アルコール量を約20g程度とすることを推奨しています。これは以下の量に相当します。
- ビール:中びん1本(500ml)
- 日本酒:1合(約180ml)
- 焼酎:0.6合(約110ml)
- ウィスキー:ダブル1杯(60ml)
- ワイン:1/4本(約180ml)
- 缶チューハイ:1.5缶(約520ml)
なお、女性やお酒に弱い体質の方はこの量より少なくすることをお勧めします。
酔いの進行と身体への影響
アルコール健康医学協会によれば、血中アルコール濃度による酔いの進行は以下のように分類されます。
- 爽快期(0.02~0.04%):気分が明るくなり、皮膚が赤らむ程度。
- ほろ酔い期(0.05~0.10%):体温や脈拍が上昇し、軽い酔いを感じる。
- 酩酊初期(0.11~0.15%):理性が低下し、感情が不安定になる。
- 酩酊期(0.16~0.30%):小脳の麻痺により運動失調が現れる(千鳥足、ろれつが回らないなど)。
お酒を楽しむ際は、「爽快期」や「ほろ酔い期」で留めることが、アルコールとの健全な付き合い方です。
急性アルコール中毒への対応方法
万が一、適切なアルコール量を超えて飲みすぎてしまったときは場合によっては命に関わるため迅速に適切な対応をしていただく必要があります。
急性アルコール中毒は、飲酒量が過剰となり、意識障害や呼吸抑制を引き起こす危険な状態です。以下の対応を覚えておきましょう。
- 意識確認
呼びかけや刺激に反応しない場合は危険信号です。 - 回復体位をとらせる
吐物による窒息を防ぐため、横向きに寝かせ、頭を下げた姿勢にします。 - 無理に吐かせない
意識が低下している場合、吐かせることで窒息のリスクがあります。 - 速やかに救急車を呼ぶ
酸素不足や低体温など命に関わる症状が進行する可能性があるため、医療機関の判断が必要です。 - 体を温める
血管が拡張して体温が低下しやすいため、毛布などで体を保温します。
まとめ
アルコールを楽しむ際は適量を守り、爽快期やほろ酔い期で楽しむことが重要です。また、飲酒による危険な状態を回避するため、急性アルコール中毒の対応方法も心得ておきましょう。今年の年末年始は、お酒との健全な付き合い方を意識して、安全で楽しい時間をお過ごしください。