コラム2020/01/10
簡単にできる「血糖値スパイク」の予防法4か条
簡単にできる「血糖値スパイク」の予防法4か条
40歳以上の4人に1人と、急増している糖尿病ですが、最近、健康診断で血糖値は「正常」とされる人の中にも異常があることが分かってきました。知らないうちに体中の大事な血管が痛めつけられ、突然死やがん、認知症まで招いてしまう恐れもあります。今回は、「血糖値スパイク」の簡単な予防法をご紹介します。
血糖値スパイクとは
血糖値スパイクとは、糖尿病と診断される前の段階です。普段の血糖値が正常値であるにもかかわらず、食後の短時間だけ急上昇する症状を指します。このときの血糖値をグラフ化すると、まるでスポーツのスパイクシューズのように鋭くなるのが特徴です。健康診断は通常空腹時に行うため見つかりにくく、また、時間がたつと正常値に戻るため、異変に気付かないまま放置してしまう危険があります。
血糖値スパイクのリスク
血糖値スパイクの状態が繰り返されることで、活性酸素の発生につながるという研究結果公表されています。活性酸素は、細胞を傷つける諸悪の根源。動脈硬化に進行することから、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まるといわれています。さらに、血糖値が適正に調整されないことが、アルツハイマー型認知症やガンのリスク要因にもなり得るとされています。
血糖値スパイク チェックリスト(当てはまる項目が多いほど注意が必要)
□おなかが出ている体型である
□高血圧である
□喫煙している
□定期的に運動をしていない
□食後2時間以内に頭痛、ほてり、動悸がある
□食後2時間以降に手の震えや冷えがある
□食後2時間以降に強い空腹感や眠気を感じる
□寝ているときに体がこわばる、疲れがとれにくい
血糖値スパイクの予防法
1.食事の順番は野菜や海藻から食べるようにしよう
野菜や海藻などを食事の最初に食べることで、小腸に栄養吸収のクッションとなる膜のような状態をつくり、ブドウ糖の吸収を緩やかにしてくれます。
2.食事を抜かない、朝食はきちんと摂ろう
長い空腹は食後の血糖値の上昇の原因になります。忙しいから時間がないからといって朝食を抜くと、昼食後に血糖値スパイクが発生しやすいといわれています。食事は1日3食きちんととるようにしましょう。
3.よく噛んで食べよう
よくかんでゆっくり食べると血糖値の急上昇が抑えられます。目安は一口30回。30回かんでいる途中で飲み込んでしまうのは、一口の量が多い状態です。
4.食後に軽い運動を心がけよう
血糖値の上昇は筋肉でブドウ糖を消費することで抑えられます。全身の筋肉のほぼ70%は脚の筋肉なので、短時間で効果的に血糖値を下げたいなら、食後の適切なタイミングでの階段の上り下りなどがお勧めです。
まとめ
今回は「血糖値スパイク」の予防法について、ご紹介させていただきました。太古から、お米を主食とする農耕民族として発展してきた日本人は、「口中調味」という独特な食べ方をします。一口目をご飯ではなく、野菜や海藻から食べるように工夫することによって、血糖値をコントロールすることができます。「血糖値スパイク」は、健康診断では見つかりにくいため、結果に異常がなかったからと過信せず、日頃の体調や生活習慣などから自分の血糖値について意識するようにしましょう。また、チェックリストを参考にして、気になることがありましたら医療機関を受診するようにしましょう。