コラム2024/10/07
過敏性腸症候群(IBS)についてVol.2
過敏性腸症候群(IBS)どうやって診断されるの?
IBS(過敏性腸症候群)の診断は、症状だけでなく、他の病気を除外することが重要です。では、具体的にどのようなプロセスで診断されるのでしょうか?
- 症状の確認
まず、最近3ヶ月以内に腹痛や不快感、便秘や下痢が繰り返されているかを確認します。これはIBSの診断に欠かせないステップです。
- 器質的疾患の除外
次に、大腸がんや炎症性腸疾患など、他の病気がないか確認するための検査を行います。特に以下のような症状がある場合、詳しい検査が必要です。
– 血便、発熱、体重減少など
– 家族に腸の病気がある、50歳以上の方など
- 大腸内視鏡検査
警告症状や危険因子がある場合、大腸内視鏡で腫瘍や炎症がないかを確認します。
- 必要に応じた追加検査
腹部超音波やCT、内視鏡など、必要に応じて追加の検査を実施します。これは、より詳細な確認のために行われます。
- 血液や便の検査
他の疾患が原因である可能性も排除するため、血液や便、尿の検査も行われます。
- ローマIV基準による診断
最終的に、他の病気が否定され、特定の条件に合致する場合、ローマIV基準に基づいてIBSの診断が下されます。
過敏性腸症候群(IBS)とブリストル便形状尺度
IBS(過敏性腸症候群)は、便秘や下痢など、便通に関わる症状が特徴です。IBSの患者さんは、便の形や頻度がそれぞれ異なり、「便秘型」「下痢型」「混合型」「分類不能型」の4つのタイプに分類されます。これには、「ブリストル便形状尺度」という便の形を評価する指標が使われます。
IBSのタイプとその特徴
- 便秘型(タイプ1・2)
特徴:硬くてコロコロした便が多いタイプです。
症状:ストレスや緊張が便秘を悪化させやすく、お腹の張りや不快感が伴います。
- 下痢型(タイプ6・7)
特徴:水のような便や非常に柔らかい便が多いタイプです。
症状:緊張やストレスで腹痛を感じ、急に下痢を起こすことがよくあります。
- 混合型
特徴:便秘と下痢の両方が起こるタイプです。
症状:便通が変動しやすく、便秘と下痢が交互に起こり、日常生活に大きく影響を与えます。
- 分類不能型(タイプ3〜5)
特徴:便の形が普通(タイプ3)からやや柔らかい(タイプ5)まで変動するタイプです。
症状:明確なパターンがないため、症状がつかみにくいのが特徴です。
まとめ
IBSの診断は、症状の確認と他の病気の除外が基本です。
便のパターンによって4つのタイプに分かれ、それぞれ症状や対策が異なります。ストレスや緊張が便秘や下痢を引き起こしやすく、特に混合型では便通の変動が日常生活に大きく影響することがあります。自分のタイプを理解し、それに合った対策を取ることが、IBSの管理には欠かせません。