コラム2024/10/05
過敏性腸症候群(IBS)について? Vol.1
過敏性腸症候群(IBS)とは?
IBSは消化器系のトラブルで、主に腹痛や不快感、そして便秘や下痢といった排便の異常が続く状態を指します。日常的に下痢や腹痛を経験することがある方も多いかと思いますが、IBSはそれが数か月以上にわたって続き、仕事や日常生活に影響を及ぼすこともあります。
IBSの特徴
症状 : 腹痛や不快感、排便回数や便の形状の変化(便秘・下痢)が数か月以上続くことが特徴です。心理的なストレスも関与することが多いです。
発生率 : 世界中で約10%の人々がIBSを抱えていると言われています。女性に多く見られる傾向がありますが、年齢とともに発症率は減少します。
日常生活への影響
IBSは命に関わる病気ではありませんが、症状が長引くことで仕事や学校、さらには社会生活にまで支障をきたすことがあります。また、症状が悪化するとさらなるストレスや不安を引き起こすことも少なくありません。
治療法
生活習慣の改善 : 食生活の見直し、ストレス管理、運動が有効です。
薬物療法 : 症状に応じて、便秘薬や下痢止め、抗不安薬などが処方されることがあります。
心理的サポート : カウンセリングや心理療法も治療の一環として取り入れられることがあります。
過敏性腸症候群(IBS)はなぜ起きるの?
IBS(過敏性腸症候群)の原因は一つではなく、さまざまな要因が絡み合って発症すると言われています。今回は、IBSの発症に関わる主な原因について簡単にご紹介します。
- ストレスと心理的要因
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、脳と密接に関わっています。ストレスや不安が高まると、腸の動きが敏感になり、腹痛や下痢を引き起こすことがあります。また、IBSの人は通常の刺激でも痛みを感じやすく、軽い腹部の不快感でも強く感じることがあります。
- 感染による影響
ウイルスや細菌による腸の感染(例:食中毒)をきっかけに、IBSを発症するケースもあります。感染が治った後も、腸の粘膜や運動機能に影響を残し、腸内環境のバランスが崩れることがあります。
- 腸内細菌と免疫系
腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが乱れると、腸の健康に影響が出やすくなります。また、腸内細菌が免疫系を刺激して腸の炎症を引き起こすこともあります。
- 遺伝的な要因
家族にIBSの人がいると、そのリスクが高まることが知られています。遺伝が腸の働きに影響を与える可能性があるのです。
- 生活習慣や食習慣
不規則な生活や特定の食品(乳製品、高脂肪食など)がIBSの症状を悪化させることがあります。運動不足や睡眠不足も影響を与えることがあるので、生活習慣を見直すことが大切です。
まとめ
IBSの発症には、ストレス、感染、腸内細菌、遺伝、そして生活習慣など、さまざまな要因が関わっていると考えられています。人によって症状が異なるため、適切な診断と治療が重要です。もし症状に心当たりがある方は、専門医に相談することをお勧めします。