コラム2024/07/03
ピロリ菌除菌治療について
今回はピロリ菌の除菌治療についてお話しします。ピロリ菌を除菌すると、消化性潰瘍の再発を大幅に抑えることができます。保険診療により除菌治療を受けることが可能です(一部保険適用外あり)。
一次除菌治療
治療内容
薬剤: 胃酸を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)またはカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と2種類の抗生物質(アモキシシリン、クラリスロマイシン)を7日間内服します。
成功率: 約70~90%。
失敗の理由:服用の不徹底: 薬をきちんと服用できていない場合。
耐性菌:クラリスロマイシンに対する耐性菌の存在。
対策: 3種類の薬がパックになった製剤を使用することで、内服忘れを防ぐことができます。
二次除菌治療
治療内容
薬剤: プロトンポンプ阻害薬(PPI)またはP-CAB、アモキシシリン、メトロニダゾールを7日間服用します。
成功率: 約90%。
注意点:メトロニダゾールの服用時の禁忌: 副作用が出やすくなるため、お酒を飲むことが禁じられています。
除菌治療の成功率
総成功率: 2回の除菌治療により、97~99%の人が除菌に成功します。
除菌判定
重要性: 除菌の成否を確認することが重要です。ピロリ菌が残っていると、再発のリスクがあるためです。
方法:尿素呼気試験/便中抗原測定
タイミング: 除菌治療薬の内服終了から4週間以降に行います。
三次除菌治療
適用外のケース:二次除菌に失敗した場合、除菌薬に対するアレルギーのある人。
治療費: 自費での治療となります。
副作用:一般的な副作用は、 軽い軟便程度。重い副作用は 薬疹や重い下痢がみられた場合は、速やかに主治医に相談する必要があります。
再感染の確率:確率: 除菌後の再感染はまれであり、再陽性率は年間2%以下とされています。
まとめ
ピロリ菌除菌治療を適切に行うことで、消化性潰瘍の再発リスクを大幅に低減し、健康な生活を維持することが可能です。