コラム2024/06/06
消化性潰瘍ってどんな病気?vol.4
消化性潰瘍の診断方法って?
消化性潰瘍の診断と検査方法
消化性潰瘍が疑われる場合、具体的な診断方法として内視鏡検査やバリウム検査(X線造影検査)が一般的に行われます。
それぞれの検査方法とその特徴について説明します。
内視鏡検査
経口内視鏡と経鼻内視鏡
□経口内視鏡: 口から内視鏡を挿入します。検査中に喉の奥に触れるため、嘔吐反射が起こることがあります。出血が疑われる場合や、止血処置が必要な場合は、経口内視鏡が使用されます。
□経鼻内視鏡: 鼻から内視鏡を挿入します。喉の奥に触れないため、嘔吐反射が少なく、患者の負担が軽減されます。ただし、経鼻内視鏡では止血処置は行えません。
■絶食: 検査
~検査の準備と手順~
前12時間以上は絶食が必要です(水やお茶は摂取可)。
■局所麻酔: のどあるいは鼻の局所麻酔を行います。
■内視鏡挿入: 内視鏡を挿入し、潰瘍の有無を確認します。
■組織採取: 必要に応じて、病変部位から組織の一部を採取し、顕微鏡による病理診断を行います。これにより、良性・悪性の確認ができます。
バリウム検査(X線造影検査)
~検査方法と特徴~
■バリウム飲用: 患者はバリウム(造影剤)を飲み、胃壁にバリウムを付着させます。
■体位変換: 体を動かしながら、X線で胃壁の凹凸を描出します。
■潰瘍の確認: 潰瘍により粘膜が欠損してくぼんだ部位にバリウムが入り込むことで、潰瘍の存在を確認します。
~注意点~
– バリウム検査で異常が指摘された場合、後日内視鏡検査を行い、詳細を確認する必要があります。
検査の選択と実施
内視鏡検査とバリウム検査にはそれぞれ利点と欠点がありますが、現在は内視鏡検査が主流となっています。
特に出血が疑われる場合には、早急に内視鏡検査を行い、必要に応じて止血処置を行うことが推奨されます。
内視鏡検査の利点
– 直接視認による正確な診断が可能。
– 組織採取や止血処置が行える。
バリウム検査の利点
– 内視鏡が困難な場合や、初期スクリーニングとして利用可能。
まとめ
消化性潰瘍の診断には、内視鏡検査とバリウム検査が重要な役割を果たします。
内視鏡検査は、正確な診断と治療を同時に行うことができるため、特に出血が疑われる場合に有用です。
バリウム検査は、内視鏡検査の補助として用いられることがあります。いずれの検査方法も、適切な診断と治療計画の立案に不可欠です。