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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

胃食道逆流症(GERD)ってどんな病気?vol.2

コラム2024/05/18

胃食道逆流症(GERD)ってどんな病気?vol.2

どうして胃食道逆流症になるの?

胃からは胃酸が分泌され、食物の消化を助けています。

胃の壁(胃粘膜)は粘液で保護されているため、胃酸が直接胃の組織に触れることはなく、胃自体が消化されることはありません。

しかし、食道の防御機能は弱く、胃酸が逆流すると食道粘膜が容易に傷ついてしまいます。

このため、食道が長時間酸にさらされると、食道粘膜がただれて逆流性食道炎が起こります。

特に重症の逆流性食道炎の患者では、胃酸の逆流時間が長くなっています。

通常、胃と食道の接続部分(下部食道括約部または噴門)が胃酸の逆流を防いでいますが、食後には健康な人でも一時的に胃酸が逆流することがあります。

しかし、健康な人ではこの逆流の時間が1日のうちわずか4%以下であり、逆流が問題になることはありません。

健康な人の場合、逆流した胃酸は食道の蠕動運動(食べ物や飲み物を食道から胃に送る動き)によってすぐに胃に戻されます。

しかし、胃食道逆流症の患者では、この蠕動運動に問題があることがあり、胃酸が食道に溜まってしまうことがあります。

また、胃と食道の接続部分が上にせり上がる食道裂孔ヘルニアという状態があると、逆流防止の働きが弱まり、胃酸がより食道に逆流しやすくなり、さらに長時間食道にとどまることが知られています。

胸やけや呑酸(胃内容物が口やのどまで逆流してくる感じ)などの逆流症状は、必ずしも胃酸の逆流だけが原因ではありません。

空気が逆流したり、酸度の弱い胃液が逆流することでも、これらの症状が生じることがあります。

さらに、非びらん性逆流症の患者では、食道の知覚過敏があり、わずかな胃酸の逆流や酸度の弱い胃液の逆流でも強い自覚症状を感じることがあります。

済生会hpから引用

https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/hiatal_hernia/

胃食道逆流症はどうすれば診断できる?どんな検査をするの?

胃食道逆流症は、自覚症状と上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)によって診断されます。

典型的な症状である胸やけや呑酸があり、内視鏡検査で食道粘膜のただれ(逆流性食道炎)が確認されれば、胃食道逆流症と診断されます。

一部の人は逆流性食道炎があるものの自覚症状がなく、また逆に自覚症状はあるものの逆流性食道炎がない場合(非びらん性逆流症)もあります。

これらも全て胃食道逆流症に含まれます。

典型的な症状は胸やけと呑酸ですが、まれに胃のムカムカ感や重い感じを胸やけと表現する場合もあります。

自覚症状から診断するために、記入式の専用問診票があり、詳しくはかかりつけの医師にご相談ください。

内視鏡検査は必須ではありませんが、食道がんや消化性潰瘍など他の病気を除外するためにも、できるだけ検査を受けることが望ましいです。

検査を受けずに薬を服用しても症状が完全に改善しない場合、他の病気である可能性があるため、必ず内視鏡検査を受けるようにしてください。

さらに、内視鏡検査を受けた後に薬をきちんと服用しても症状が続く場合は、食道運動の障害、知覚過敏による胃酸以外の逆流による症状、好酸球性食道炎といった特殊な食道炎の可能性が考えられます。

このような場合、医師と相談のうえ、専門の病院で精密検査を受けるようにしましょう。

胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021から引用