コラム2024/04/23
脊髄小脳変性症の理解と治療
脊髄小脳変性症とは、はっきりとした原因がないままに、小脳とその周辺の神経細胞が変性して、運動失調をきたす病気です。
歩行時にふらついたり、細かい運動ができなかったり、お酒に酔ったようなしゃべり方になったりします。
このような症状を運動失調と呼びます。
小脳の役割
小脳は、運動と感覚の調節、平衡感覚、筋肉の動きを制御する重要な部分です。
しかし、小脳が障害を受けると、歩行や細かい動作が困難になり、しゃべり方にも変化が現れます。
分類と頻度
遺伝性と非遺伝性に分けられ、全国で約3万人の患者がいると推定されます。
遺伝性の割合は約3分の1と言われています。
原因
脊髄小脳変性症は、原因が不明であり、小脳や周辺の神経細胞が徐々に変性し、運動失調をもたらす病気です。
症状と経過
運動失調が主な症状であり、徐々に進行します。平均して、発症後数年で車椅子や寝たきり状態になると言われています。
診断
専門医による神経学的検査や画像検査により診断されます。遺伝性が疑われる場合は遺伝子診断も行われます。
治療
現在のところ、根本的な治療法はなく、対症療法が中心です。運動失調の症状を和らげる薬やリハビリテーションが行われます。現在の治療法では、症状の緩和や生活の質の向上に焦点が当てられています。
まとめ
脊髄小脳変性症は、小脳の機能障害によって運動失調や他の症状が引き起こされる疾患であり、厚生労働省の特定疾患に指定されており、治療費の助成を受けることができます。
運動失調症状でお困りの場合は、お早めに受診されることをおすすめいたします。