コラム2024/04/16
もやもや病の理解と治療
もやもや病とは
もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)は、脳の血管に生じる疾患であり、内頚動脈の末端部が細くなり、脳の血流が不足することが特徴です。
この状態により、一時的な手足の麻痺や言語障害が生じることがあります。
また、「もやもや血管」と呼ばれる脳内の拡張した血管が形成されることも特徴の一つです。
もやもや病の原因は?
家族内での発症率が10〜20%程度と考えられており、遺伝的要因が関与している可能性がありますが、詳細な原因は解明されていません。
一部の研究では、特定の遺伝子(RNF遺伝子多型;p.R4810K)を持つ個人が発症しやすい傾向が示唆されています。
症状は?
もやもや病の症状は、主に脳血流不足や脳出血によって引き起こされます。
脳血流不足の場合は、手足の麻痺や言語障害が生じることがあり、特に前頭葉の血流不足による症状が顕著です。
脳出血の場合は、激しい頭痛や意識障害、手足の麻痺などが起こることがあります。
治療法
治療法は、手術や抗血小板薬が一般的に用いられます。
手術では、内頚動脈の閉塞を直接治すのではなく、新たな血流経路を作成するバイパス手術が行われます。
また、抗血小板薬は血液の凝固を抑えることで、血管内での血栓形成を防ぐ効果が期待されます。
病気の経過は個人によって異なりますが、定期的な検査やフォローアップが重要です。
特に手術後は定期的な経過観察が必要であり、病気の進行や再発を早期に発見することが大切です。
また、治療後も適切な生活指導や健康管理が重要であり、生活習慣の改善や適切な運動、栄養管理が推奨されます。
日常生活で気を付けること
日常生活では、特に小児の場合は激しい運動を控えることが勧められます。
治療後も、適切な生活指導を受けながら、通常の日常生活を送ることができます。
ただし、病気の状態によっては、生活制限が必要な場合もありますので、主治医との相談が大切です。
まとめ
もやもや病は、適切な治療と管理を受けることで、多くの患者が安定した生活を送ることができます。
しかし、病気の性質や経過の不確定性から、定期的な検査と適切なフォローアップが欠かせません。
また、遺伝的要因が関与する可能性があるため、家族歴や遺伝子検査の結果も考慮に入れる必要があります。