コラム2023/11/22
お酒の量が増える年末年始、お酒とは上手に付き合いましょう
新型コロナウイルス感染症による外出規制のない年末年始。
忘年会や新年会などの飲み会を楽しみにしている方も多いですね。
一時的な飲み過ぎによる「急性アルコール中毒」も危険ですが、近年、高齢者の過度な飲酒を繰り返すことによる「アルコール依存症」が問題となっています。
今回はお酒と上手に付き合うための方法についてお伝えします。
「アルコール依存」になりやすい高齢者
高齢者は若年層に比べて体内の水分量が占める割合が低下するため、アルコールの血中濃度が増加しやすくなります。
そのため、若年層に比べて少ない飲酒量であっても、飲酒の影響を受けやすいのです。また、中枢神経のアルコール感受性が増加するため、酩酊(めいてい)や転倒などの身体機能の障害が起きやすくなります。なお、男性より女性の方が影響を受けやすく、依存症に陥りやすい傾向があるといわれています。高齢者のアルコール依存症には「孤独な環境」も影響していると考えられています。配偶者や友人との死別や離別、子どもの自立、生きがいの喪失などで過度の飲酒につながってしまうのです。
認知症や寝たきり…過度の飲酒は「万病のもと」
高齢者の場合、認知症を合併する場合が多いことも問題視されています。飲酒量が増えるほど脳がダメージを受け、脳萎縮が進行してしまうこともあります。また、転倒・骨折によって寝たきりとなり、認知症が一気に進む危険性があります。
健康を守るための12の飲酒ルール
- 飲酒は1日平均2ドリンク(=純アルコール20g)まで
- 女性・高齢者は350mLの缶ビール1本以下
- アルコール分解が遅い赤型体質(※)は要注意
- 久しぶりに飲んだときでも大酒しない
- 空腹時は避けて、食事と一緒にゆっくりと
- 身体のためにも濃いお酒は薄めて飲もう
- 良質な睡眠のためにも寝酒は極力控えよう
- 肝臓のためにも、週に2日は休肝日
- 薬の治療中はノーアルコールを厳守して
- 入浴・運動・仕事前はノーアルコール
- 趣味や習い事、生きがいを見つけよう
- 定期的な健診で飲み過ぎチェック!
※飲酒後にフラッシング反応を起こす体質のこと。アルコールの分解が遅く、がんやさまざまな臓器障害を起こしやすいといわれています。
※※厚生労働省「12の飲酒ルール」をアレンジして作成。
まとめ
適量のお酒はリラックス効果が期待でき、健康にも良いといわれていますが、過度の飲酒は「万病のもと」。お酒は飲み方次第で、薬にも毒にもなります。
お酒とは上手につきあっていきましょう。