コラム2023/10/24
パーキンソン病と誤嚥の危険性
パーキンソン病は、誤嚥による窒息や肺炎のリスクが高まる疾患です。誤嚥について、むせない不頭性誤嚥にも注意が必要です。患者の誤嚥リスクを管理するために、多角的なアセスメントと特別な注意が必要です。夜間の誤嚥も留意すべきです。
パーキンソン病の死因は肺炎
パーキンソン病の死因の約60%は肺炎といわれております。
患者の飲食物の摂取に問題があり、気管に入ることで肺炎につながることがあります。肺炎がパーキンソン病患者の主な死因の1つであることが示されています。他にも、気管支炎や悪性腫瘍なども死因として挙げられています。
誤嚥にによる窒息のリスク
パーキンソン病患者は、誤嚥による窒息の危険性が高まります。姿勢異常や円背などの身体的な特徴が胸郭運動を妨げ、異物を排出するのが難しくなります。したがって、吸引などの処置が必要な場面も多くあります。事前の多角的なアセスメントが不可欠であり、窒息のリスクが高い患者には見守りと吸引処置の準備が必要です。
不頭性誤嚥、つまりむせない誤嚥にも留意すべきです。高齢者は反射能力が衰えるため、誤嚥しても必ずしもむせるわけではありません。パーキンソン病患者は誤嚥に気付きにくく、むせない誤嚥がよく見られます。看護師は主訴だけでなく、不頭性誤嚥を適切に評価する方法を理解し、水飲みテストや聴診器を使用することが役立ちます。また、医師と連携して嚥下造影検査の評価を検討することも重要です。
最後に、夜間の誤嚥にも留意すべきです。夜間の睡眠中に誤嚥が発生することがあり、これに対処するためにベッドの頭側を上げたり、横向きに寝たりする方法が効果的であることがあります。
総括すると、パーキンソン病患者は誤嚥による危険性が高まり、患者の安全を確保するために注意が必要です。誤嚥のリスク評価や予防策の実施が欠かせません。