コラム2023/07/14
パーキンソン病の概要と歴史、診断方法について
パーキンソン病の概要
パーキンソン病は、60歳代後半をピークに発病し、40歳より前の場合は若年性パーキンソン病と呼ばれます。老化が関連しており、主に中高年に発症する疾患です。有病率は人口10万人あたり約150人であり、50歳以上では100人に1人とされています。日本には現在15万~20万人のパーキンソン病患者がいると推定されています。この病気には孤発性と遺伝性の2つのタイプがあり、95%は孤発性であり、5%は遺伝性です。遺伝性パーキンソン病には20数個の病型がありますが、一般的な特徴としては黒質の障害があり、L-ドパが有効です。遺伝性パーキンソン病では知的機能障害や眼球運動障害などの症状が現れることもあります。
パーキンソン病の歴史
パーキンソン病の歴史では、1817年にJames Parkinsonが症状を報告し、パーキンソン病という名前がつけられました。1888年にはJean-Martin Charcotが神経学的な所見を追加し、振戦や筋強間、無動/動作緩慢、姿勢反射障害を特徴とする四大症状として確立されました。20世紀の終わりまで、パーキンソン病は運動障害の病気と考えられていましたが、その後、精神症状も現れることが多いため、全身の神経系疾患と理解されるようになりました。
パーキンソン病の診断方法
パーキンソン病の診断では、血液検査や従来の画像診断では異常が現れません。診断は症状からの判断や他の疾患や薬の副作用の除外を行い、パーキンソン病の薬の試用による効果の確認などを行います。診断は専門医でも難しく、診断後も定期的な再評価が必要です。
まとめ
昨今は当院にも毎月必ずパーキンソン病の患者様に関してのご相談を頂くようになっています。パーキンソン病は進行性の神経疾患であり、正確な診断と継続的なケアが患者の生活の質を向上させるために不可欠です。早期の症状認識と適切な治療は、患者とその家族に希望と支援をもたらす重要な一歩です。