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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

パーキンソン病の病態と分類:運動症状と大脳基底核の関係

コラム2023/07/19

パーキンソン病の病態と分類:運動症状と大脳基底核の関係

パーキンソン病の病態と分類:運動症状と大脳基底核の関係

パーキンソン病は、α-シヌクレインというタンパク質の異常蓄積により、レビー小体が出現し、黒質緻密部のドパミン神経細胞が変性・脱落する疾患です。このため、線条体におけるドパミンが不足し、運動症状が現れます。最近では、大脳皮質や自律神経系にもレビー小体が存在し、認知機能低下や自律神経障害も起こり得ます。遺伝的要因や神経毒、神経炎症、酸化ストレス、ミトコンドリア異常などが発病のきっかけと考えられていますが、詳しい原因はまだ解明されていません。

パーキンソン病は運動症状によって分類され、ホーン・ャール重症度分類で1度から5度に分けられます。症状は片側から現れることが多く、進行に応じて日常生活の自立度が低下します。

パーキンソン病では、大脳基底核の機能障害がパーキンソニズムの原因とされています。特に線条体におけるドパミン欠乏が重要であり、その詳細な病態機構はまだ解明されていません。大脳基底核は複雑な神経回路から成り立っており、運動抑制や認知機能などを制御しています。パーキンソン病では、基底核運動回路の活動異常が起こり、D1受容体を介する直接路とD2受容体を介する間接路のバランスが崩れます。これにより、淡着球内節/黒質網機部の過剰興奮が視床の抑制を引き起こし、症状が現れます。さらなる研究が必要です。

まとめ

今回はパーキンソン病の病態と病期分類、大脳基底核の役割についてまとめました。お役に立てれば幸いです。