コラム2023/04/12
耳鳴りは要注意
耳鳴りとは
実際には鳴っていない音が鳴っているように聞こえる現象のことを耳鳴り、または耳鳴(じめい)といいます。
耳鳴りには、大きく分けて他覚的耳鳴と自覚的耳鳴があります。
他覚的耳鳴は聴診器などを使用して音を増幅すれば他の人にも聞くことができるもので、体のどこかに雑音を発生させている原因があります。
自覚的耳鳴は本人にしか聞こえず、その原因は多岐に渡ります。
外耳炎や中耳炎、難聴、メニエール病など、耳に原因がある場合はもちろん、高血圧や脳腫瘍、脳梗塞などの病気が原因で耳鳴りが起きている場合、そのほか、ストレスや老化が原因の場合もあります。
耳鳴りの症状
耳鳴りが起きる場合、その原因によって耳鳴りの症状は異なります。
また、場合によってはそれ以外の諸症状があらわれることもあります。
耳鳴りの症状と原因
耳鳴りが片耳から聞こえる
突発性難聴、メニエール病、聴神経腫瘍など
耳鳴りが両耳から聞こえる
老人性難聴、騒音性難聴など
ザーという低音の耳鳴りが聞こえる
耳垢栓塞(じこうせんそく)、耳管狭窄(じかんきょうさく)、耳硬化症(じこうかしょう)など
キ-ンという金属音の耳鳴りが聞こえる
メニエール病、突発性難聴、ストレスなど
耳鳴り以外の諸症状
耳が遠くなる
突発性難聴、老人性難聴、耳垢栓塞、耳管狭窄、耳硬化症、メニエール病、薬の副作用など
めまいがする
メニエール病、内耳や脳の血行障害、脳腫瘍、脳卒中や頭部外傷の後遺症など
自分の声が響く
耳管狭窄、中耳炎など
全身に不快感がある
自律神経失調症、更年期障害、ストレスなど
頭痛・肩こり・動悸
高血圧、低血圧、貧血など
耳鳴りの治し方・対処方法
耳鳴りは聴神経や脳の過剰反応や電子信号の誤認識によるものが大半です。
そのため、静かなところで安静にするなど、過敏になっている体の機能を落ち着かせることが重要です。
休息をとる
家事や仕事の合間に適度な休息時間を設け、夜は十分な睡眠時間を確保しましょう。
規則正しい生活と、活動にメリハリをつけることで自律神経を整え、耳鳴りの症状緩和につながります。
体の緊張をほぐす
体が常に緊張状態になっていると、自律神経が敏感になったり筋肉がこわばることで血管が収縮し、血流が悪化したりします。
深呼吸をして心にゆとりを持ち、軽いストレッチなどで緊張をほぐすと良いでしょう。
日常の疲労やストレスを溜めない
耳鳴りは疲労やストレスを溜め込むことで発症することもあります。
趣味を楽しんだり気分転換をするなど、ストレスを軽減するように心がけましょう。
血行をよくする
血行が悪くなると聴力が低下する場合があるので、体の冷やし過ぎは厳禁です。
体を適度に温めたり、軽い運動をしたりして血の流れを良くしましょう。
また、長めの半身浴やマッサージなども血の巡りの改善につながります。
耳鳴りを意識しない
耳鳴りはとても不快に感じてしまいますが、耳鳴りを気にするストレスによって 耳鳴りがさらに悪化するという悪循環が生まれてしまいます。
適度な音量でBGMを 流す、ラジオを聞く、テレビを見るなど、自然音のある環境を作りましょう。
耳鳴り 以外のことに集中し、気晴らしをするなど気持ちを切り替えることで耳鳴りを軽減できます。
喫煙やカフェイン摂取を控える、ビタミンB12を摂取する
喫煙には血流を悪化させる作用があり、カフェインの過度な摂取は脳を興奮状態にしてしまい、眠れなくなってしまうことがあります。
喫煙や睡眠前のカフェイン摂取は なるべく控えましょう。
また、貝や青魚などに含まれるビタミンB12には末梢神経の 代謝を改善する作用があり、耳鳴りの治療薬としても使われていますので、食事のメニューに取り入れることも効果的です。
耳鳴りの治療方法
医療機関での治療法は、内耳や神経作用を活性化させる薬物療法や、特殊な機器を用いる音響療法、耳鳴りを誘発させる症状への対症療法が採用されます。
薬物療法・・・ビタミン剤、末梢循環改善薬、抗不安薬、睡眠導入剤など
音響療法・・・耳鳴りに慣れることを目的とした治療
心理療法・・・不安を和らげて耳鳴りによる苦痛を 軽くする治療
まとめ
耳鳴りの治し方は、自身で対処できる方法から医療機関で処置する方法まで多岐にわたります。
何が原因で耳鳴りが起きているのかを早めに見極め、適切な治療方法を選択しましょう。