コラム2023/01/24
ヤングケアラーについて知っていますか?
最近耳にすることが増えた「ヤングケアラー」について皆さんはどこまで知っているでしょうか。
大阪市では中学生の9.1%がヤングケアラーであるというアンケート結果が出ている反面、ヤングケアラーについての認知は40%程度となっており、まだまだ啓蒙が必要な状況です。
今回は改めて「ヤングケアラー」について知っていただければ幸いです。
ヤングケアラーとは
「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものことです。
家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものことであるため、責任や負担の重さにより、学業や友人関係などに影響が出てしまうことがあります。
厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/young-carer/
ケア頻度は「ほぼ毎日」が約半数
大阪市の調査結果では、ヤングケアラーがケアをする家族は「弟・妹」、「祖母」、「祖父」の順に多く、内容は「話し相手」や「見守り」、「年下のきょうだいの世話、遊び相手」などと続いています。
その頻度はほぼ毎日とする回答が約半数に及び、費やす時間は1時間未満が最多。中には8時間以上との回答もあったそうです。
ヤングケアラーは他の生徒に比べ、欠席の日数や遅刻、宿題忘れの回数が多い傾向があるようで、学業や友人関係に与える影響は大きいですね。
民間団体や企業が行政を補完
公的支援の拡充が進む一方、予算の確保や制度化に時間がかかる行政だけでは対応しきれないケースを補完するのが、民間の支援団体や企業です。
ヤングケアラーの実態調査に取り組む大阪歯科大の濱島淑恵教授は令和元年にNPO法人「ふうせんの会」を立ち上げ、代表理事としても活動しています。
同会ではヤングケアラーの当事者たちが体験を共有しあう集会を開いたり、元ヤングケアラーがLINEなどを通じて当事者の相談に応じたりする「ピアサポート」を実施しています。
賛同した介護施設運営会社「チャーム・ケア・コーポレーション」(大阪市)が会場や物品の提供などで活動を支えています。
まとめ
行政が主体で行っているものもあれば、民間団体や企業も何かしらの方法で手を差し伸べられるように変わってきています。兄弟だから、祖父母だからということではなく、その子自身の立場になって物事を見れるようになるといいですよね。
厚生労働省では相談窓口などをまとめていますので、もし、ご高齢の利用者さんのとこに行った際に気になるようなら、お節介になってしまうかもですが声掛けしてあげられるといいのかもしれませんね。
厚生労働省 ヤングケアラー 相談窓口