コラム2022/12/20
介護保険の利用者負担費の引き上げ決着は来年の夏まで先送り
議論の内容
厚生労働省は、今年の9月26日に社会保障審議会の部会で介護保険制度の見直しに向けた給付と負担の議論を本格的に開始しました。
現在は原則1割(所得に応じて2~3割負担の方もいる)としているサービス利用時の自己負担割合ですが、2割負担の対象者拡大などについて検討を開始したのです。
争点は?
2021年4月末時点での要介護(支援含む)の認定者数は684.2万人。
その内、「現役並み所得」で3割負担の方が4%程度、「一定以上の所得」で2割負担の方が5%程度存在します。
高齢者の負担が増してしまうという懸念から、引き上げに反対する声もあるが、一方、介護保険制度の持続性を確保するため所得条件に応じた負担増を求める賛成意見もあります。
医療保険は10月から一定所得以上の方の窓口負担が2割に引き上げられたことから医療とのバランスを考えるべきだという意見も存在します。
異例の先送り
介護保険改正は通常3年に1度で、その内容のフレーム部分は2年目の年末に決定されるのが通例です。
そのため、今回のような「利用者負担の引き上げ」といった重要な部分が決まらずスケジュールが先送りとなるのは極めて異例なケースです。
先送りとなった主な理由は、物価高騰が国民の生活を直撃し、今後の影響が不透明な中での利用者負担の引き上げに対して強い反発の声があがっていたという経緯があるようです。
まとめ
今回は、介護保険料の自己負担増引き上げについてお話をしました。
医療分野でも負担増の方針が固まっています。
こうした引き上げが医療介護のスタイルにどういった変化をもたらすのか…。少し不安もありますね。