コラム2022/11/17
入浴時のめまい、動悸、息切れ
お風呂上がり・湯上りに、めまいや立ちくらみを感じたりして、クラクラして倒れる事はありませんか?
お風呂上りに動悸や気持ち悪さ、息苦しさを感じて倒れてしまう人もいます。
その原因についてご紹介させて頂きます。
原因
ヒートショック
周辺の温度が上がったり下がったりすることで、血圧が変動するなど身体に影響が及ぶ事をヒートショックといいます。
入浴時、特に冬場はヒートショックの危険性が高くなります。
冬場の入浴は、身体の周囲の大きな温度変化を伴うからです。
居室は暖かく暖房されていても、浴室は暖房されていない場合があります。
寒い浴室でさらに服を脱ぐと、身体は一気に冷え込みます。
寒いので早く温まりたい、と急いで熱いお湯の中に浸かると、今度は急激な温度の上昇と水圧による体への負担で、さらに血圧が急激に上昇します。
入浴後しばらくすると、身体が温まり血管が拡張し、今度は血圧が逆に低下していきます。
急激な温度変化を避け温度差を10度以内に保つ
急激な温度変化を避けることが何より大切です。
脱衣所に暖房を置く、風呂桶にお湯を張るときにシャワーを使用して浴室全体を暖める、などの工夫で温度差を小さくすることができます。
目安としては、温度差が10度以内になるようにすることで安全性が高まります。
最近は洗面所やトイレ用の、小さな暖房器具も販売されています。
また、入浴時のお湯の温度は42度を超えないようにするとよいと言われています。
肩まで浸かるより半身浴の方が身体への負担は少なくなります。
入浴前後の水分補給を心がける
入浴による発汗で脱水気味になると血圧が低下しやすくなるため、入浴前後各コップ1杯程度の水分補給を行いましょう。
可能であれば入浴前後に血圧をチェックすることも大切です。
治療中の疾患のある場合には、疾患や全身状態によって適当な血圧は異なるため、あらかじめ、入浴可能な血圧の範囲を主治医に教えておいてもらうのがよいでしょう。
また、体調が悪いときは入浴を避け、清拭などで対応しましょう。
入浴前後に気になる体調変化があったら、入浴後に改善しても、心臓病や脳血管障害の予兆である可能性もあるため、早めに医師に相談してください。
入浴による急な温度環境の変化で年間14000人が亡くなっている
入浴は日常生活上、ごく当たり前の行為であり、日本人ならお風呂が大好き、という方
が多いと思います。
入浴は単に身体の衛生管理上、重要というだけではなく、心身をリラックスさせ、全
の血流が改善することにより、健康維持の面でも有用です。
しかし、状況によっては身体にとって負担となる可能性もあります。
ある調査では、年間約14000中に人もの方が亡くなっています。
死亡原因としては、心筋梗塞や脳梗塞・脳出血発作によるものが多く、直接発作自体で亡くなるケースに加え、発作による意識障害によって浴槽内で溺死するケースも多く見られます。
入浴中にこのような事故が多い要因は、入浴という行為が多くの急な温度環境の変化を伴い、それが血管や心臓に予期せぬ負荷をかけるからだと考えられています。
一般的に安全な入浴可能条件
平熱であること
基礎体温が高めの方は、37度台前半くらいまでは問題ないことが多いようです。
明らかな高熱のときは避けた方が安全です。
脈が落ち着いていること
脈拍も平時の変動の範囲内であれば問題ありませんが、、普段よりも脈が明らかに早い
場合は、念のために主治医に相談してみてください。
もともと不整脈ではないのに脈が乱れている、などの場合にも注意が必要です。
血圧が落ち着いていること
もともと低めの方、高めの方がいらっしゃいます。
普段と大きな変化がなければ心配はありません。
ただし、入浴によって一時的に血圧が上昇してしまうので、180を超えるような血圧での入浴は危険です。