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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

脳梗塞について

コラム2022/08/26

脳梗塞について

脳梗塞とは

血栓ができ、脳の血管が詰まると血流が途絶えてしまい、詰まり部より先に栄養が届かなくなってしまいます。これにより、血栓より先の脳が死んでしまうことを脳梗塞といいます。

血栓の種類には、動脈硬化が原因で脳内の細くなった血管内で血液が固まって血流を止めてしまう「脳血栓」と心疾患が原因で心臓内にできた血栓が血流により剥がれ、脳まで運べれて詰まってしまう「脳塞栓」があり、40歳以上の中高年に多い疾患です。

高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病は動脈硬化を悪化させるため、脳梗塞のハイリスク予備軍といえます。

症状

脳梗塞は突然発症します。一般的な症状には、意識がなくなる、手足のマヒや痺れ、ろれつが回らなくなる、などがあります。通常、症状は急激に悪化していき、機能障害が残ります。

また、手足のマヒや痺れが数分以内に改善し、症状がなくなってしまう場合があります。これは、脳の血管が血栓で詰まった後、自然に溶けて血流が再開するためで、症状が短時間のうちに消えてしまいます。

このような状態を「一過性脳虚血発作」といいます。脳梗塞の前触れと考えられており、そのまま放置すると3分の1の方が脳梗塞になってしまうと言われています。

また、脳梗塞は認知症の一因にもなってしまいます(脳血管性認知症)。

小さな脳梗塞が多発すれば、マヒなどの明らかな神経症状がなく、認知症だけが起こる場合があります。脳梗塞は頭部CT、MRI、脳血管撮影で診断します。

治療と予防

脳梗塞が起きて間もない時期には、血栓を溶かす薬、血流を良くする薬などの点滴治療を1週間~2週間実施します。症状が安定し次第、できるだけ早期にリハビリテーションを開始します。

予防に関しては、一度脳梗塞の経験をした方は、再発のリスクが高くなるため予防策を講じる必要があります。

予防のためには、血液が固まりにくくなる薬を内服します。

このとき、脳梗塞の原因が血栓か塞栓かによって、内用薬を使い分ける必要があります(ex. 「抗凝固薬(ワーファリン)」、「抗血栓薬(アスピリン)」)

場合によっては、再発予防のために手術が必要になる方もみえられます。

また、動脈硬化を予防したり、進行を遅らせたりするためには、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の治療が必要です。

生活習慣の見直しと改善が重要で、肥満に注意したり、節酒、禁煙を心掛けるようにしましょう。

まとめ

脳梗塞は私たち世代でも発症することの多い非常に恐ろしい疾患です。食べることが大好き!お酒が大好き!喫煙がやめられない!といったことのある方は生活習慣を見直し、リスクをさげるように意識してみましょう。