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笑う門には福来る~笑顔と健康の関係性~

コラム2019/08/06

笑う門には福来る~笑顔と健康の関係性~

笑う門には福来る~笑顔と健康の関係性~

関係者の皆様は最近思いきり笑えているでしょうか。笑うことは健康にとても良いというのは耳にしたことがあるかと思います。笑う門には福来ると言われるように、怒っているよりは笑っている方がいいことがありそうなのは何となくわかりますよね(笑)。では、笑うという行為には実際にはどんな効果があるのでしょうか。

笑う事でがん予防!?

「笑い」がもたらす代表的な効果として、がん予防の効果があります。人は笑うことでNK(ナチュラルキラー)細胞が増加します。このNK細胞は白血球の一種で、それまでの免疫的な記憶がなくてもある種の腫瘍細胞(がん細胞など)を破壊することができ、腫瘍が発生するのを防御する働きがあると言われています。このNK細胞が体内で絶えず発生しているがん細胞をやっつけてくれる訳ですね。このNK細胞の働きの強さを示すNK活性が低いとがんになりやすいという研究結果があります。ある実験では、大阪にある吉本興業のグランド花月で、漫才などを見て笑った後にはNK活性が上昇したそうです。因みに、「笑い方」も千差万別、シーンによっても「笑い方」は変わりますよね。クスクス笑いからガハガハ大笑いまで、笑い方の種類は様々ですが、意外なことに、NK細胞の増殖はどんな笑い方でもOK。作り笑いでも大丈夫だそうですよ。

「笑い」と自律神経の変化

では、笑うと体の中ではどんな変化が起きているのでしょうか。人の体には交感神経と副交感神経からなる自律神経があります。これらは内臓の運動や分泌、知覚などを司る神経で、それぞれには相反する性質があります。交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうと、自律神経失調症などの不安定な状態になってしまいます。笑っている時は、これらの神経がバランスよく働いていると言われいます。

まだまだあるぞ!笑いの効果

がん予防、自律神経のバランスを保つ事以外にも、笑いの健康効果はまだまだあります。いくつかご紹介させて頂きます。

脳の働きが活性化する

脳の海馬は新しいことを学習するときに働く器官です。笑うとその容量が増えて記憶力が向上します。また笑いのよって、アルファ波が増えて脳がリラックスするほか、意志や理性を司る大脳新皮質に流れる血液量が増加するため、脳の働きが活発になります。

血行促進

思い切り笑った時の呼吸は、深呼吸や腹式呼吸と同じような状態です。体内に酸素が多量に取り込まれるため、血行が良くなり新陳代謝も活発になります。

筋力アップ

笑っている時は心拍数や血圧が上がり、呼吸が活発となって酸素の消費量も増えます。また、静かに過ごすより笑っているほうが、カロリーの消費量が多くなります。さらに、大笑いするとお腹や頬が痛くなるように、腹筋、横隔膜、顔の表情などをよく動かすので、多少ながら筋力アップにもなります。

鎮痛作用

笑うと脳内ホルモンであるエンドルフィンが分泌されます。エンドフィンはモルヒネの数倍の鎮痛作用で痛みを軽減します。

もっともっと笑いたい!

笑うことが健康に良いのはわかりましたが、笑う事って意外と難しかったりしますよね。実際に、赤ちゃんは1日平均400回以上笑うと言われていますが、大人になり35歳を超えるとその回数は1日15回にまで減ってしまいます。学生の頃のように思いのままに感情を爆発させるのも社会人になると中々難しいですし、テレビのお笑い番組やコメディ映画を観るにも限界がありますね(笑)。もっと笑いたい!そんな「笑える毎日」のコツは日頃から自分でおもしろい話を考えて周囲の人に話し、一緒に楽しむことです。自分の失敗談や短所などは笑い話になりやすく、なにか失敗したり嫌なことがあっても、「良いネタが見つかった」と思えれば前向きな毎日を過ごせるかもしれません。

今回は「笑い」がもたらす健康効果についてご紹介をしました。心理学者のウィリアム・ジェイムズ氏の言説で、「人は幸福であるが故に笑うのではなく、笑うが故に幸福である」という考え方があります。まさに笑う門には福来るですね。在宅医療も、その人らしい生活を取り戻すことで笑い回数の増加につながる可能性を秘めています。ちくさ病院も医療を通じて、患者様の「笑い」を増やせるよう尽力していきます!