コラム2022/08/10
慢性肝炎ってどんな病気??
慢性肝炎とは
肝臓の炎症が6か月以上続いて、肝細胞が少しずつ壊れていく状態を「慢性肝炎」と呼びます。
肝炎を引き起こす原因は、70がC型ウィルス、20%がB型ウィルス、10%が飲酒や薬剤と言われています。C型、B型のウィルスは急性肝炎を引き起こすほか、慢性的に肝臓に居座ることも多く、持続的に炎症を引き起こします。
肝細胞は壊れてはまた修復されるという繰り返しになるため、肝臓に繊維が増えていきながら徐々に硬くなり、最終的には「肝硬変」へと進行していくことになります。
症状
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。そのため、症状は出にくく、また再生能力も非常に強いため、症状が出ても「疲れやすい」、「だるい」程度の軽度の症状しかでないため、見過ごされることが多くなります。
肝臓機能が悪化し機能しなくなると、眼に黄疸が出たり、腹水が溜まったりします。また、最悪の場合、食道の静脈が破裂して死に至る危険までありえます。
血液検査や超音波検査を定期的に行い経過を見ていくことが重要となってきます。
日常生活上の注意
食後は内臓に血液が集中し肝臓にも負担がかかるため安静にする必要があります。またお酒も控えたほうが良いでしょう。
ウェルス性のものの場合、感染に注意が必要なのかという点については、結論から言えば、日常生活では他の人にうつることはありません。ただし、血液に直接触れたり、性的交渉ではうつる可能性があります。そのため、かみそりなどは同じものを使うことは避けたほうが良いですが、それ以外のものは特に使い分けたり消毒したりする必要はありません。
また、血液検査で異常値が出ても過去の感染によるもので、完治している場合もありえます。そのため、検査時は現在もまだ活動があるのかも併せて検査をする必要があります。
すでに周知のように、B型肝炎には予防のためのワクチンがあるため、感染する可能性がある方はワクチン接種をすることも大切です。
治療
ウィルスの除去や沈静化のために、インターフェロンや抗ウィルス薬を用いたり、肝臓の力を取り戻す肝機能改善薬として漢方を用いたりします。また、ステロイドを用いる、ステロイド離脱療法というものもあります。
食事療法も有効で、日常生活では栄養バランスのとれた食事の摂取と安静が大切です。
まとめ
医療職、介護職の皆様は血液に直接触れるようなケースも考えられます。
そうした特殊なケースでは感染も考えられるため十分に注意するようにしてください。