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アンガーマネジメント~怒りとの付き合い方~Part4

コラム2019/07/31

アンガーマネジメント~怒りとの付き合い方~Part4

アンガーマネジメント~怒りとの付き合い方~Part4

アンガーマネジメントについての紹介は今回が最後となります。最終章では怒りを含め、相手に自分の感情を上手に伝える方法をご紹介します。

感情をうまく伝えられない人の特徴ってあるの?

怒りを他の「人」「こと」のせいにする

怒りは他の誰でもない、自分が生み出した感情です。それに気付かず、自分がイライラする原因はすべて「人」や「こと」にあると思い込んでいます。うまくいかないとき、「高圧的なものの言い方をする上司のせい」「ミスを繰り返す部下のせい」などとおもうことはありませんか?どんな出来事も、どう受け止めるかは自分次第です。「人」や「こと」のせいにしても怒りは消えません。

すべての人に好かれようとする

「こんなこと言ったらどう思われるかな」「嫌われたくないな」といったように常に目の前の相手や他人の目が基準になっていることはありませんか?こういう傾向があると、無理に相手に合わせて同調したり、本当に言いたいことを飲み込んでしまったりするため、自分の感情を伝えられません。いい顔することと、いい関係を気付くことは違うので「自分」を大切にしましょう。

自分の感情を把握できていない

自分の気持ちと向き合わず、あいまいな状態で放っておくことはありませんか?「さみしい」「悲しい」「しんどい」「心配」「不安」など自分がどう感じているのかを意識してつかむ習慣を身に付けましょう。
✓怒りをため込みある日突然爆発させてしまう
相手に伝えられなかったなど、自分自身でうまく対処できなかった怒りを心の中にため込む人がいます。怒りはシコリのようになり、抱えきれなくなると「なんでわかってくれないんだ!」と爆発し、周囲を戸惑わせます。その後、冷静になるとよく自己嫌悪に陥るのもよくあるパターンです。

言いたいことを何でも言ってしまう

相手がどう思うかも配慮せず、感情任せに言いたいことを言い、つい余計なことを口走ってしまうタイプです。相手に自分の気持ちを理解してもらうためではなく、不満の対象として感情を垂れ流すので、相手を傷つけてしまったり、本当にわかってほしいことが伝わらないままになってしまいます

アサーティブコミュニケーションってなに?

アンガーマネジメントでは「適切な怒り方」をしようというものです。アサーティブコミュニケーションとは、相手も自分も大切にした自己表現方法です。コミュニケーションには攻撃的なもの、非主張的なもの、アサーティブなものの3種類がありますので、まずは自分がどの種類に該当するかを確認してみるのもいいかと思います。

攻撃的タイプ

相手を抑えて自分の言いたいことを通す自己表現をするタイプです。
自分の思い通りにならないと、声を荒げ「いいからやれ!」と怒りの感情を使って威圧的に相手を抑え込もうとします。また、相手が反論できないよう、真綿で首を絞めるように相手を追い込んだりもします。怒りを表現するときに、なぜ怒っていたのか、どのような気持ちだったのか、今後どうしてほしいのかを、相手を傷つけ、打ち負かすような形で表現してしまいます。さらに、思い通りにならないと八つ当たりするケースもあります。

非主張的タイプ

自分を抑えて相手を立てる自己表現をするタイプです。
相手の目が気になるため、できるだけ波風立てたくない、または「どうせわかってもらえないのでは」と不安があり自分の言いたいことを抑えていませんか。はっきり自分の意見を相手に伝えられないため、自分を責めたり、人によっては心の中で相手を責めたりすることがあります。「怒ることはみっともない、大人げない」と怒りに対してネガティブな思い込みを持っている人が多いため、このような表現を選んでしまう人も多いようです。

アサーティブタイプ

お互いの主張や立場を大切にした自己表現をするタイプです。
自分が感じたこと、思っていることを率直に、正直に、相手や自分を責めることなく、相手や状況に合わせて伝えることができるというものです。

伝え上手になるポイントってなに?

アサーティブタイプになるにはどうしたらいいか。伝え上手になるポイントをご紹介します。

何について怒りを感じたのか、どうしてほしかったのかを把握する

自分が何について怒りを感じたのか把握しましょう。

「私」を主語にして伝える

「あなた」を主語にして話していると、怒りを感じた時もつい相手を責めるような言い方になっているはずです。発信源を「私」にし伝えることを意識しましょう。

表現の引き出しを増やす

バリエーションが少なく同じような表現ばかりを繰り返しても、相手にはどれほどの怒りなのかが伝わってきません。相手にこちらの感情を受け止めてもらえるよう、言葉の引き出しを増やしておきましょう。

自分の思い込みに固執しない、とらわれない

相手には相手の「べき」があるのだということを忘れず、時には「なぜそう思っているのか」と相手の「べき」の背景に耳を傾けるゆとりを持ちましょう。

ネガティブな思い込みを捨てる

「真剣に伝えればわかってもらえる」と自分から相手を信頼して、「わかってもらいたい」という思いを素直にぶつけてみましょう。

アンガーマネジメント まとめ

4回にわたりアンガーマネジメントについての紹介をしました。人と接する仕事であると、どうしても自分の言い分、相手の言い分があり、それをできるだけ自分のテリトリーで進めたいと考えるのではないでしょうか。自分のテリトリーに入れれたとしても自分優位になっていいというものではないため、相手も思った感情表現は重要かと思います。アンガーマネジメントを知り、円滑な関係を気付く一助になれば幸いです。