コラム2022/06/28
♪ぐるぐるぐるぐる~♪でお馴染みの「グルコサミン」について
♪ぐるぐるぐるぐる~グルコサミン♪というCMは馴染みがありますよね。
でも、グルコサミンについてはどれぐらい知っていますか?
今回はグルコサミンについてのお話です。
グルコサミンとは
関節内で、骨と骨との間でクッションの役割を果たす「軟骨」。
その軟骨の主成分の一つがグルコサミンです。
体内で合成されるアミノ酸の一種で、軟骨をはじめ、爪や靭帯、皮膚、心臓弁などに存在しています。
グルコサミンは、軟骨を作るのに必要となるムコ多糖類の生成を促し、すり減った軟骨を修復する働きがあります。
本来、体内で合成される成分ですが、年齢と共に生成量は減少します。
コンドロイチンとの違いは?
グルコサミンとコンドロイチンはどちらも人の細胞や軟骨に存在する物質です。
よく一緒にサプリメントなどで販売されるので混同されやすいですが、実際にはグルコサミンとコンドロイチンは2つの異なる分子です。
コンドロイチン(硫酸コンドロイチンとも呼ばれる)は複雑な構造の炭水化物の化合物で、人体では主に関節の軟骨に存在します。
欧米では早くから関節痛の治療に応用
関節痛の原因の中でも多いのが「変形性関節症」です。
加齢により軟骨がすり減り、周囲に炎症を起こし、痛みにつながるものです。
特に起きやすいのが膝で、中高年者に見られる「立ち上がったり座ったりする時に膝が痛む」「階段の上り下りがつらい」などの症状の多くは、変形性関節症によるものだと言えるでしょう。
この変形性関節症に対する、有効な成分であると言われているのがグルコサミンです。
欧米では古くから関節炎の治療薬として利用されてきました。
臨床実験も多く行われており、グルコサミンが変形性関節症の治療に有効であるという多くの報告がされています。
ただ、現時点での研究結果をまとめると、明らかな疾患の予防・治療効果、痛みの軽減効果などが、偽薬(プラセボ)と比較して優れているとは証明されていません(偽薬を使用した患者さんの60%でも、痛みが約20%程度減少している)。
一部の研究では、変形性膝関節症が高度の場合、グルコサミンと硫酸コンドロイチンを一緒に内服すると、やや痛みが軽減される可能性が示唆されています。
まとめ
グルコサミンは内服による大きな副作用も出にくく、高度の変形性膝関節症患者さんにおいては、痛みがやや軽減したとの報告もあります。
ただし、変形性膝関節症などによる痛みに対し、グルコサミンが明確な効果を現して医療機関で積極的な内服を勧められるには、今後の研究成果が待たれます。