コラム2022/06/08
腹痛について
どういう痛み??
お腹が痛いと言っても、単なる食べ過ぎによる胃腸炎や、下痢による痛みから、胃や腸が裂けて緊急に手術が必要な腹痛もあり、その原因も様々あります。
突然激しくお腹が痛み出したときには誰でも迷うことなく医者にかかると思います。しかし、おとなしく寝ていれば我慢できる程度のときは、果たして医者に行った方がよいものか、迷うことでしょう。
緊急でなくても医者にかかったほうがよい場合には、以下のような症状があります。
受診した方が良い場合
下痢が3日以上続くときは、お腹の痛みもありますが、身体の水分を失うので脱水症状が心配です。
高齢者では下剤を飲んでいることが多く、通常の下剤を中止することで治ります。この場合には、そのまま経過を見れば良いでしょう。
便に血が混じっている場合、その原因が胃などの臓器から出血しているときには、便が赤いわけではなく、黒くなることを知っておきましょう。
真っ赤で新鮮な血の時は、ほとんどが痔からの出血です。
体重の減少を伴う腹痛は、より注意が必要です、がんなどの場合は短期間に体重が減少します。急に痩せてきたときには、腹痛が収まっても医者にかかったほうがよいでしょう。
高齢者が虫垂炎(いわゆる盲腸)になったときなどは、あまり腹痛が強くないこともあります。熱もあまり高くならないので、見逃さないように注意したいですね。
そのほか、発熱を伴う腹痛には腹膜炎などもあるので受診した方がよいでしょう。
痛みの部位と様々な原因
お腹の痛みは、その部位や痛み方により、ある程度病気胃の予測がつきます。
- 胃潰瘍の場合には、おへそのすぐ上のみぞおちが痛くなります。また、食後2~3時間後に痛みが現れることが多いのも特徴です。
- 胃の先に十二指腸がありますが、ここの潰瘍での痛みは、空腹時に起こるのが特徴です。
- 胆嚢に石がたまる“胆石”は肝臓のある右上のお腹の部分が痛くなります。さしこむような痛みで、発熱を伴うこともあります。黄疸といって皮膚が黄色くなることもあります。
- 虫垂炎では、右下腹部が痛くなり、吐いたり、吐き気がしたりします。
- 尿管に石がたまる尿管結石では背中に痛みが出ます。尿管結石の痛みはかなり強烈で、通常の痛み止めはほとんど効きません。
- 下腹部が痛くなるのは、膀胱炎のほか、卵巣炎や子宮内膜症など、女性の臓器からくる痛みの場合があります。
- 便秘では左右どちらかの下腹部痛が起こります。
- 左の上の方の腹痛で、体重減少がある場合には、すい臓がんなども考えられます。
その他、お腹全体が硬くなり、張って痛くなることは腹膜炎などでも見られます。
薬による腹痛
薬では、消炎鎮痛剤、いわゆる痛み止めで、胃の痛みが現れることがよく知られていますね。そのため、痛み止めをもらう場合は、多くの場合、胃薬も一緒に処方されます。
まとめ
今回は、腹痛についてお話をしました。お腹が痛いという訴えでも、何が原因の痛みなのかをしっかりと見極めなければなりません。決して甘く見ず、症状によっては即受診を考えるようにしましょう。