コラム2019/07/24
アンガーマネジメント~怒りとの付き合い方~Part3
アンガーマネジメント~怒りとの付き合い方~Part3
今回はアンガーマネジメントの3回目になります。前回、カッとなったら6秒待ってとお話しましたが、今回はその時の具体的な方法をご紹介させていただきます。
「怒り」をコントロールする方法
怒りはアレルギーに似ているといわれています。アレルギーの原因は様々で反応が出ること自体は悪いことではありませんし、人それぞれ症状や程度も違います。対処法も、抗ヒスタミン剤のようなとりあえず抑える方法(短期的かつ即効性のある方法)、減感作療法のようにじっくりと改善していく方法(長期的かつ遅行性のある方法)がありますよね。
それぞれにメリットがあるため使い分けも重要になるので自分に合った「怒り」のコントロール方法をご紹介していきます。
すぐ効く7つの方法~短期即効型~
1.スケールテクニック
怒りを感じったら数値化しましょう!
「怒り」を数値化して見える形にすればつかみやすく、対処法も出てくるというものです。
「怒り」を感じたら、10点満点で0~10点で点数をつけましょう。
0点…まったく怒りを感じていない状態
1~3点…イラっとするが、すぐに忘れてしまう
4~6点…時間がたっても心がざわつくような怒り
7~9点…頭に血が上るような強い怒り
10点…絶対に許せないと思うくらいの激しい怒り
怒りの強度が高い人におすすめの方法です。数値化することで「怒っている」「怒っていない」かや怒りの幅を理解できると、怒りに任せた行動もしにくくなるといわれています。
2.カウントバック
怒りを感じたときは頭の中で数を数えましょう!
数えることに集中することで怒りから意識をそらすというものです。
1,2,3,4,5…と単純に数え上げるのではなく、数字の大きいほうから100,97,94,91…とカウントダウンします。あえて少しやりにくくすることで数えることに意識を集中させられる分怒りから気がそれて、衝動的な行動をしにくくなります。
3.コーピングマントラ
怒りを解き、怒りが和らぐような心を落ち着く言葉を言い聞かせましょう!
「ま、いいか!」など怒りが収まりそうな特定の言葉を自分に言い聞かせるというものです。
心が落ち着き、冷静な対処ができるようになります。
4.ストップシンキング
頭の中を一瞬真っ白にして、思考を停止させてリセットしよう!
怒りがこみ上げてくると冷静な判断ができないため、一切何も考えない瞬間を作ることで心が落ち着くというものです。心の中で「ストップ!」と唱えたり、頭の中を真っ白にし落ち着いてからこれからどうしようかを考えるようにしましょう。
5.タイムアウト
その場をいったん離れ、感情をリセットしましょう!
スポーツの試合での「タイム」に試合再開があるように、怒った場面でのタイムアウトにも再開があります。「ちょっとトイレに行ってくる」など戻ってくることも伝えつつ、その場を離れてみてはいかがでしょうか。
6.グラウンディング
今、ここに意識を集中しましょう!
怒りに飲み込まれている方は思考が「現在」だけでなく、今度会ったら…といった「未来」や「過去」へと暴走することもあると思います。こういう時は目の前にあるものを観察することに集中し、強制的に「現在」に意識を戻します。例えば、目の前にある携帯電話を見つめ、傷がついてるやフィルムがはがれてるなどを意識すれば、集中できますよというものです。
7.呼吸リラクゼーション
怒りを感じたときは、ゆっくりと腹式呼吸をして気持ちを落ち着かせてみましょう!
腹式呼吸をすることで身体の緊張がほぐれたり、リラックスにつながるため、怒りも落ち着きますよというものです。鼻から息を吸って、一旦呼吸を止め、口からゆっくり吐く。これを2~3回行います。吸って吐いての間に10~15秒くらいかけるのがおすすめです。
じわじわ効かせる5つの方法~中長期遅行型~
1.アンガーログ
怒り(アンガー)の記録(ログ)をとりましょう!
理由はわからないけどイライラするときは日記のように怒りを記録しましょう。記録し、客観的に見直すことで、自分の怒りに傾向も掴めてきます。
- あまり時間をおかずに記録しましょう。その場での記載がベストです。
- 怒りを感じたらその都度書きましょう。
- 書いているときに分析はしていけません。
これらのポイントに気を付けて記録を取ってみてはいかがでしょうか。
2.べきログ
自分の「べき」を洗い出して、怒りの元は何かを知りましょう!
「べき」の基準は人によって異なるため、まずは自分の「べき」を知りましょう。普段自分が「当たり前」だと思っていること、「こうあってほしい」と期待することを言語化します。自分の「べき」が、すべての人に通じる「べき」なのか、許容範囲を広げることができるか振り返ってみましょう
3.ハッピーログ
うれしかった、よかった、ラッキーなど「ハッピー(幸せ)」だと感じることを記録しましょう!
生活を振り返ってみると、怒り以外に幸せを感じることも多いと思います。幸せにも目を向けて記録を取ると、身近で幸せを感じられるようになり、ストレスも減ってイライラが減っていきます。アンガーログと同じように書き出してみましょう。
4.ミラクルデイエクササイズ
アンガーマネジメントで解決したかったことが全て解決できている“奇跡の日(ミラクルデイ)”をイメージしてみましょう!
怒りを感じるとそのことで頭がいっぱいになりませんか。その時にネガティブな思考で未来を描くのではなく、どんな状態になっていた以下をポジティブに考え目指していきましょうというものです。
問題を解決した未来のイメージを思い浮かべ、それに必要な質問と回答を考えてみましょう。
5.ブレイクパターン
いつも無意識に繰り返している話し方、行動パターンをあえて壊してみましょう!
いつもと同じことをすれば同じことで怒ったりするのではないでしょうか。いつもと少しでも違うことをしてみれば、怒ってしまうパターンも違ってくるかもしれません。通勤ルートを変えてみる、ドアノブを持つ手を変えてみるなど些細なことから行動を変えてみるのもいいでしょう。
Part3まとめ
今回は「怒り」をコントロールする方法について簡単にご紹介させていただきました。短期即効型、中長期遅行型の対処法がありましたね。少し意識をして取り組んでみて、自分に合うコントロール方法が見つけてみてはいかがでしょうか。