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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

太陽に負けない!夏準備!

コラム2019/07/25

太陽に負けない!夏準備!

太陽に負けない!夏準備!

24日、九州南部、九州北部(山口県を含む)、四国、近畿、北陸で梅雨明けしたとみられると発表がありました。平年より遅い梅雨明けです。いよいよ夏の暑さも本格的になりつつありますね。訪問等で日中外出をされている関係者様も非常に多いのではないでしょうか。当院の相談員の佐藤さん、大塚さんも日に日に夏男になっています(笑)。ちなみに、今年の夏、大塚さんは、日焼け止めサプリを試していて、絶賛効果検証中です。効果のほどは、本人に直接聞いてみてください(笑)。私が見る限り、着実に黒くなっている感は否めませんが…。

さて、夏の日焼けはある程度は仕方がありませんが、過剰に日光(紫外線)を浴びすぎるのは非常に危険です。本日は紫外線の危険性と日焼け対策についてお話をします。

日焼けのメカニズム

紫外線には、UVA、UVB,UVCに分けられます。UVCは波長が短いため地表までは届かず、ほとんどがオゾン層に吸収されます。その為、日焼けの原因となるのは、UVAとUVBです。UVAは地表に届く紫外線の約90%を占めており雲やガラス、衣類も透過する性質を持っています。エネルギーは弱いので、浴びている感覚はあまりありません。UVBは波長が短く、エネルギーが強いのが特徴です。雲など遮られやすく、皮膚でも真皮の深いところまではほとんど到達しません。これらの日焼けの原因となる紫外線を浴びると、肌の内部ではメラニンが大量に作られます。黒い色素で紫外線を吸収して、真皮への侵入を防ぎ、ダメージから細胞を保護しています。このメラニンがターンオーバーにより細胞と共に押し上げられるため、皮膚がだんだんと黒くなったように見えます。これが日焼けのメカニズムです。

夏に小麦色の肌は健康的?

夏は真っ白な肌より、小麦色に日焼けをしている方の方がアクティブな印象もあり、健康的に見えるという方も多いのではないでしょうか。しかし、実際には焼けて肌が黒くなる事自体には健康上のメリットは何もありません。UVA、UVBを浴びると、皮膚に変化や損傷が生じます。自然光に長時間さらされていると、皮膚に損傷が生じ、皮膚がんのリスクが高まります。日焼けマシーンなど、人工的に肌を焼く事もやはり有害です。このような装置で使用されているUVAはしわや斑状の色素沈着、皮膚がんなどUVBにさらされた場合と同じように長期的影響を引き起こします。

紫外線が原因で起こる病気

皮膚がん

紫外線は皮膚がんの発症リスクを高めます。日本人は皮膚がんの患者が少ないと言われていますが、子供の頃から長年にわたって過剰に紫外線を浴びれば、歳を重ねてから皮膚がんを発症する可能性が高まります。

良性腫瘍

ご高齢の方にできやすい黒褐色のイボの事です。顔、首、手の甲など露出している部位にできやすいのが特徴です。

日光アレルギー

慢性光線過敏症。紫外線が当たった部位に、500円玉ほどの大きさの紅斑ができる。

白内障

白内障のタイプの中でも、水晶体の皮質が混濁する「皮質白内障」と呼ばれるもの。

翼状片

白目の表面を覆っている半透明の結膜が、目頭から黒目に向かって翼のような形状で侵入し、目のゴロゴロした違和感が起こる。

膠原病の症状悪化

膠原病を持っている人が紫外線に当たると皮膚に紅斑や水泡ができやすくなる。また膠原病のひとつである皮膚筋炎は紫外線によって症状が悪化する。

免疫機能の低下

日焼けの予防、紫外線対策

以上のように、紫外線は様々な病気の原因になっています。具体的にはどのような予防対策があるのでしょうか。

日光を避ける

これが最もシンプルな方法です。紫外線は午前10時以前と午後3時以降はそれほど強くありません。その時間に外出をする時はなるべく日陰に入るなどして、日光を避けるようにしましょう。

衣類を工夫する

日光による悪影響は、帽子、シャツ、ズボン、サングラスなどの保護用の遮蔽物を着用することで最小限に抑えることが出来ます。目の細かい布地の方が荒い布地より日光を良く遮ります。日光から皮膚を強力に保護する特殊な衣類も市販されており、保護レベルを示すUPFを記載したラベルが貼られています。つばの広い帽子は顔、耳、首の保護に役立ちますが、これらの部位には日焼け止めの併用も必要です。紫外線からの保護を目的としたラップアラウンド型のサングラスを着用すれば眼と瞼の保護に役立ちます。

日焼け止め

日焼け止めはクリーム、ゲル、スプレー、スティックなどの多様なタイプのものが市販されています。日焼け止めにはパラアミノ安息香酸(PABA)、ベンゾフェノン類などの紫外線を吸収する物質が含まれています。PABAはすぐには皮膚にしっかり付着しない為、これを含有する日焼け止めを使用する際には、日の当たる場所に行く30分前から皮膚に塗っておく必要があります。

今回は、紫外線の脅威と予防について、ご紹介しました。日中は外にいる事がほとんど!という関係者様も多いはず!患者様、ご利用者様へのご訪問の際には、今回ご紹介した日焼け対策を行ってみてはいかがでしょうか