コラム2022/05/13
加齢と血圧の関係性
日々生活をしていると、「今更聞きにくいな」とか「調べるの面倒だな」とか思うことありませんか?
このコーナーでは簡単に、なんとなく知っておけば役立つであろうお話をQ&Aで紹介させていただきます。
Q.なぜ、加齢に伴い血圧が上昇するのでしょうか?
加齢に伴う血管の弾力性低下などにより、特に収縮期血圧が上昇します。
厚生労働省発表の患者調査の概要(平成26年)をみても、高血圧性疾患の患者数は35~64歳では15万7千人だったのが、65歳以上になると51万7千人と、いわゆる前期高齢者から大幅に増加します。
主な理由は、加齢に伴い血管の弾力性が失われることによるもので、そのため血の流れが悪くなり、特に心臓が収縮して血液を送り出す際の収縮期血圧が高くなります。
また近年では、血圧調整に関わるホルモン、アンジオテンシンIIを介して血管が肥厚することで、血管が収縮し血圧が上がることもわかっており、アンジオテンシンIIの働きを抑えて血圧を下げる薬も開発され、利用されています。
他にも高齢者の高血圧には、「血圧が高いにも関わらず脳の血流量が十分ではない」、「急な温度変化による影響で脳卒中や心臓病を起こしやすい」、「白衣高血圧(病院の診察室などで、普段より高い血圧値を示す)が多い」、「(立ち上がった時に血圧が過度に下がる)起立性低血圧が起こりやすい」、「糖尿病を合併することが多い」などの特徴があります。
高齢の方で高血圧の場合は、普段からめまいや立ちくらみなどにも気をつけるべきでしょう。
特に注意が必要なのは、糖尿病を合併している場合です。
糖尿病の患者さんはそうでない人に比べ、高血圧になる頻度が約2倍も高いことがわかっていますが、この2つが合併すると、脳梗塞や心臓病を起こす頻度も高くなります。
高齢であるほど、降圧薬で心血管病のリスクが下がることもわかっていますので、治療をしっかり続けることが重要です。
まとめ
高齢の方で血圧高めになる原因が分かったでしょうか。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)は「~サルタン」という一般名のものです。
ロサルタン、バルサルタンなどを見かけたら、「ああ、ARBね」とわかります。