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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

炭水化物と糖尿病について

コラム2022/04/25

炭水化物と糖尿病について

日々生活をしていると、「今更聞きにくいな」とか「調べるの面倒だな」とか思うことありませんか?このコーナーでは簡単に、なんとなく知っておけば役立つであろうお話をQ&Aで紹介させていただきます。

炭水化物の摂り過ぎは、糖尿病の原因になりますか?

おかわりをする女性は将来、糖尿病になるリスクが高まります。男性では炭水化物以外の肥満や運動不足などの影響が大きいと考えられています。

三大栄養素は、たんぱく質と脂質と炭水化物です。

炭水化物を食べると血糖が上昇します。

厳密には、糖質+食物繊維=炭水化物なので、糖質が多い食事をすると血糖が上昇するわけです。

日本人の1日当たりの平均炭水化物量は男性が287g、女性が233gです。炭水化物の代表は米です。

日本人の炭水化物源は、米が48.3%で半分近くを占めています。続いて、米やパンなど小麦が13.8%、米やパン、麺類などの小麦が13.8%、果物が6.2%、菓子が5.1%となっています。

 

日本や欧米における観察研究から、白米摂取と糖尿病発症リスクとの関連が報告されています。

日本での報告では女性において、1日に米飯を摂取している量で4分位に分けたところ(1日の平均米飯摂取量、最も少ない群=平均165g、平均315g、平均420g、最も多い群=平均560g)、最も少ない群に比べ、最も多い群では5年間の糖尿病発症が1.65倍(95%信頼区間:1.06-2.57)と上昇していました。

お茶碗1杯が140gとすると、1日に平均4杯の米飯を食べていることになります。つまり、おかわりする女性は将来糖尿病になるリスクが高まるようです。

同じ集団において、男性では女性よりも米飯をたくさん食べているのですが(1日の平均米飯摂取量、最も少ない群=平均280g、平均420g、平均560g、最も多い群=平均700g)、最も少ない群に比べて、最も多い群の5年間の糖尿病発症は1.19倍と明確な関連を認めていません。

むしろ、身体活動量が少ない人が糖尿病になりやすい傾向にありました。男性は肥満や運動以外にも禁煙や節酒などに取り組むことが糖尿病予防につながるのかもしれません。

一方、玄米や雑穀米、全粒パンなどは糖尿病発症を抑えるのではないかと期待されています。つまり、健康的な食材をとる食事パターンの人が糖尿病になりにくいといわれています。

まとめ

糖尿病に対し炭水化物が悪影響を及ぼしているようではなさそうですね。

むしろ、玄米や雑穀米、全粒パンなどは糖尿病発症を抑えるのではないかと期待されています。

玄米や雑穀米、全粒パンは美味しいものも増えて来てるので試す価値はありだと思います。