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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

高血圧と糖尿病の合併

コラム2022/04/22

高血圧と糖尿病の合併

日々生活をしていると、「今更聞きにくいな」とか「調べるの面倒だな」とか思うことありませんか?このコーナーでは簡単に、なんとなく知っておけば役立つであろうお話をQ&Aで紹介させていただきます。

高血圧にくわえて糖尿病も発症していると診断されました。どのような治療を行うのでしょうか?

高血圧と糖尿病の両疾患への生活習慣改善の指導や薬物療法が行われます。糖尿病合併高血圧患者さんの降圧目標値は130/80mmHg未満です。

 

高血圧と糖尿病の両方を合併している人は多く、高血圧の人が糖尿病を発症する割合は、高血圧でない人の割合と比べて2~3倍高くなること、また糖尿病の人が高血圧になる割合は、糖尿病でない人の割合と比べて2倍程度高くなることが報告されています。

その原因として、不規則な生活習慣や肥満、高血糖状態による循環血液量の増加やインスリン抵抗性(インスリンの作用が十分に発揮できない状態)などが考えられます。

糖尿病の合併症には腎症や神経障害、網膜症といった細小血管障害と、動脈硬化による大血管障害などがあります。

高血圧と糖尿病を合併することで、動脈硬化による大血管障害のリスクが高まるとされており、血圧・血糖、両方のコントロールが必要になります。

新たに糖尿病も診断されたとのことですが、糖尿病治療のために、患者さんごとに適した運動療法・食事療法を指導されるとともに、治療薬(血糖値を下げるお薬)が処方されると思いますので、医師の指導内容をよく守り服用するようにしてください。

 

また、糖尿病を合併している高血圧患者さんの降圧目標値は、高血圧治療ガイドライン(2014年版)では130/80mmHg未満、家庭血圧(診察室以外で測定する血圧)では125/75mmHg未満を目標とするとされており、一般的な降圧目標値(140/90mmHG未満)とりも低く設定されています。

そのため、これらの目標値が達成できていない場合、高血圧に対する治療を強化することが考えられます。

ただし、他にも合併症がある場合など、降圧に注意を要するケースもあるので医師の指導に従ってください。家庭血圧の測定は有用であるとして推奨されていますので、継続して測定するよう心がけてください。

まとめ

高血圧か糖尿病のどちらかを現在患っていると、もう一方にもかかるリスクは2倍になるんですね。

生活習慣など日常の点で見直せることは見直してみても良いかもしれませんね。