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医療法人豊隆会ちくさ病院在宅医療

正しい管理で発作を防ぐ~ぜんそくは気道の慢性疾患~

コラム2019/11/29

正しい管理で発作を防ぐ~ぜんそくは気道の慢性疾患~

正しい管理で発作を防ぐ~ぜんそくは気道の慢性疾患~

見過ごされやすい高齢者ぜんそくですが、ぜんそくは対応を誤ると死に至ることもある怖い病気です。今なお年間約2000人の方がぜんそくの発作で亡くなっており、その9割を65歳以上の高齢者が占めます。高齢者の場合、せきが続いたり息切れがしても風邪や老化のせいと見過ごし受診が遅れてしまったり、また薬の必要性や使い方の理解不足から、ぜんそくのコントロールが上手くいかないこともあります。今回はぜんそくの改善方法、発作がでたときの対処法についてご紹介します。

継続治療で慢性的な炎症を改善

ぜんそくは気管・気管支の慢性的な炎症により引き起こされる病気です。炎症を繰り返すことで気管壁が厚くなり過敏性が増すため、寒さやペットの毛、ストレスなどわずかな刺激で気道が収縮やむくみを起こし、発作につながります。現在は炎症の改善に優れた効果を発揮する「吸入ステロイド薬」が普及し、以前に比べるとぜんそく死は減少しました。一方で、正しく吸入していなかったり、症状が収まったからと自己判断で中断する人が多く、ぜんそく死がゼロにならない要因ともなっています。ぜんそくがあっても吸入ステロイド薬の継続使用により発作のない状態を保つことができ、健康な人と同じ生活を送ることができます。根気よく治療を続けましょう。

高齢者ぜんそくの注意点

・ちょっとした刺激でせき込んだら受診を
階段を上る、大声で笑うなどわずかな刺激でせき込むのはぜんそくの症状の一つ

・薬の飲み合わせに注意
高齢者は複数の病気を抱えていることが多く、薬の飲み合わせ(相互作用)に気を付ける。

・正しい吸入法をマスター
使いやすい吸入器を使用し、医療機関で使い方を定期的に確認する。

・副作用の予防を徹底
吸入ステロイド薬を使用後、口の中に薬が残らないようにうがいをする。

発作が出たときの対処法

・楽な姿勢になり、腹式呼吸を行う
・発作治療薬(短時間作用性β2刺激薬)を使う
・温かいお茶や水など水分を摂る

まとめ

ぜんそくは正しい管理を行えば、健康なひとと同じ生活を送ることができますが、改善しない場合は、すぐに救急外来を受診しましょう。また、近年、肥満(内臓脂肪型肥満)がぜんそくの発症リスク・悪化要因となっていることがわかってきました。ぜんそくのみならずメタボリックシンドロームなどの病気にかかるリスクを下げるためにも、食生活や運動習慣を見直し肥満の改善を心掛けましょう。