2021/10/17
外来通院から在宅医療への移行時の連携を評価~フラットかつスムーズな連携の必要性~
厚生労働省は13日の中央社会保険医療協議会総会(以下、中医協総会)で、外来で通院していた高齢者らが在宅の訪問診療に切り替わり主治医が交代するケースについて、引き継ぎにあたって必要となる調整を新たに評価してはどうかと提案しました。来年度の診療報酬改定に向けて具体像を検討していく方針です。
外来から在宅への移行に関する課題とは
外来から在宅への移行に関しては、様々な課題が存在します。
【課題①】外来受診していた患者が在宅医療を受けることとなり、主治医が交代する場合がある
☞16㎞要件や、医療従事者の不足、医療機関の機能等により、在宅医療を提供していない、もしくは提供できないという理由で、在宅医療を提供する医療機関へ主治医が交代するケース
【課題②】移行のタイミングが遅くなり患者が抱える医療介護等の課題が複雑化、不可逆化する
☞通院ができなくなり、医療から離れてしまう“切れ目”が発生してしまったり、医療的な問題が発見できないことで入院を余儀なくされ、結果として在宅に戻れなくなってしまうというケースが存在している
【課題③】外来から在宅への移行に当たっては、以下のような調整が具体的に必要となりうる。その調整内容は外来・在宅いずれの場においても求められている内容である。
外来を担当する医師と在宅を担当する医師の連携について
外来担当医師と在宅担当医師との連携についても、いくつかの課題が顕在化しています。
・在宅医療の関係者会議において、「地域の病院と在宅医療との水平連携が不足している」、「かかりつけ医の在宅医療への参画等、在宅医療推進を支える体制が不十分である」、等の在宅医療についての課題の中でも、外来医療との連携の課題が指摘されている。
・外来医療を受けていた患者が通院困難となって在宅医療を受けることとなり、医療を提供する医療機関が変わる場合がある。外来から在宅への移行に当たっては各種の調整が求められ、外来から在宅への移行に当たっての医療機関間等の適時の連携等は重要である。
厚生労働省の方向性
厚生労働省は医師同士や多職種の連携を促し、在宅医療へのスムーズな移行を実現したいと考えています。
委員からは大筋の賛同を得ており、年内には要件などの骨格を固める方針です。
中医協総会の議論の中では「介護が必要な患者の場合、ケアマネージャーも含めた多職種カンファレンスを行うことを求めるべき」との意見も出ました。
また、厚生労働省は中医協で先に示したような様々な課題を紹介し、入院から在宅医療への移行だけでなく、各種調整のために医療機関同士の連携が重要になると説明しました。
まとめ
外来から在宅への移行に関しては、私たちも様々な課題を感じているところであり、今回の診療報酬改定でスムーズな情報共有や、患者さんの想いを汲んだより良い連携が実現していくことに期待したいですね。