コラム2019/05/23
病院が考える「お・も・て・な・し」
病院が考える「お・も・て・な・し」
東京オリンピックが来年にせまり、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
さかのぼること2013年、東京五輪招致の際、滝川クリステルさんが日本の特徴を「おもてなし」の一語で表現し、一躍脚光をあびた言葉です。「おもてなし」は2013年の新語・流行語大賞にも選ばれました。
「おもてなし」、その語源・意味には諸説ありますが、元々の語源はラテン語の「客人等の保護」といった意味を持つ「hospes(ホスピス)」と言う単語からきているといわれています。
その「hospes(ホスピス)」は歴史的に巡礼に出た旅人が病気や飢えで動けなくなった時に、その土地の修道院で面倒を見ていたことを意味していました。
それらが派生して、「ホスピタル(病院)」、緩和ケアの「ホスピス」となったといわれています。
医療における「おもてなし」とはなんでしょうか。
それは、患者・ご家族さんを第一に考え、患者さん・ご家族さんの立場や思いに配慮した、きめ細やかな対応や心遣いといった行いそのものではないでしょうか。
誰でも医療を受ける際には、不安を払拭して欲しい、的確で丁寧な対処をお願いしたい、明るく優しい応対がいい、などの想いを抱きます。
また、病院が「おもてなし」する相手は患者・ご家族さんだけではありません。
MSW、ケアマネージャー、Ns、相談支援員の方など、連携するすべての方々に、「おもてなし」の心もって接することが重要です。
一人の患者様を地域で支えるうえで、医療は一部です。
「必要なときには、いつでもかけつける医療」、「快適な生活の場」、「行き届いた介護」この3つの要素を満たすこと在宅医療には不可欠です。
「おもてなし」に基づいた関係性を地域で築き、「患者・ご家族さまファースト」でよりよい医療に尽力していきたいと思っています。
「ピア まちをつなぐもの」
最近観た映画で、心に響いた映画をひとつご紹介させていただきます。
この映画では、在宅医療に取り組む若手医師の成長と医療、介護、地域方々が、チームとして連携しながら、懸命に取り組む姿を描かれます。作品のテーマである「在宅介護・医療」や「多職種連携」の大切さを再認識しただけでなく、ちくさ病院としても、さらに地域との絆を強くしていく必要性を感じました。